こんにちは、ヒデヨシです。
快適な空の旅を提供してくれる航空会社「ANA」。私も何回も使ったことがありますが、笑顔での挨拶など基本サービスから機内の細かいサービスまで行き届いていて気持ちよく旅行することができました。
『どんな問題も「チーム」で解決するANAの口ぐせ』(ANAビジネスソリューション 著、KADOKAWA)には、社内からお客様までの安全を意識したいくつもの口ぐせがあります。
“ 「あれっ、大丈夫?」「自分以外は、みなお客様」「小さいことほど丁寧に、あたり前のことほど真剣に」……(中略)すべての口ぐせの根底には、私たち「TEAM ANA」に脈々と受け継がれる「おせっかい文化」があります。
(はじめに より)
この「おせっかい文化」が社内とお客様の満足度を上げているとのことですが、ふつう「おせっかい」と言われると、「余計なこと」と思われて印象は悪くなりそうなものです。しかし、ANAのカルチャーはそうは捉えません。
“ でも私たちはこの言葉をポジティブな意味で捉えています。相手に「もう一歩」踏み込むことで、「もうひと言」を加えるだけで、相手との関係は劇的に深まります。それを一人ひとりが実践すると、「チーム」でコミュニケーションを活発に取り合う風土ができあがります。
(はじめに より)
気になったことを言わないよりも、言うことで安全が守られたほうがいいという文化が浸透しているため、相手を気遣ったおせっかいが多いのだそうです。安全第一とした本書のタイトルにもある「チーム」で解決する精神を感じます。
そのチームを構成したとき、さらに個々にやりがいを持たせるため、整備部門では「家族のようにみたてたチームづくり」を行っているとのこと。
これはチームをアットホームにするためもありますが、もっと合理的で重要な意味合いが込められたチームづくりだったのです。
今回は本書のChaptre4「ANAの社員は「好き嫌い」を気にしない」より、チームを家族にたとえた意味を学んでいきます。
とくに若手や新人をOJT(On the Job Training)で研修させる、年齢差があって若手とベテラン層のコミュニケーションがうまくいっていない、といった会社の方は必見です。
中堅社員がいない悩み
1990年代前半以降、ANAに限らず航空業界の整備士の年齢構成は理想的なピラミッド型ではなく、ワイングラス型になってしまっています。
これはバブル崩壊後の不景気時代に採用を絞ったため、ベテラン層と若手層の人数比が多くなり、中堅社員が少ない状態に陥っているためです。
こうしたワイングラス型の人数比となっている企業は多くなっていると言います。
あなたの会社はどうでしょうか?
お父さん、お母さん、兄弟姉妹で1チーム
そこで、整備の技術をいかに伝承するかという課題を解決するために考え出したのが「家族のようなチーム」づくりです。
“ 整備の現場ではベテランから新人まで、年齢も熟達度も異なる様々な整備士たちが班を構成しています。この班を家族に見立てて、それぞれのメンバーの立場を明確にする方法です。
(P.136)
<役割構成>
お父さん
班長がつとめる。一家の大黒柱。家族としての方針を決めて家族を牽引する
お母さん
お父さん(班長)の補佐役。一家を盛り上げていく
お兄さん・お姉さん
若手の中の先輩格。入社間もない新人のよき面倒見役
弟・妹
入社して間もない伸び盛りの新人
これは現場で見習いながら技術を高める新人のOJTにも向いています。
お父さんやお母さんとは年齢差が大きいため距離感がありますが、お兄さんやお姉さんとなら年齢が近いため打ち解けやすくなります。
お兄さんお姉さんとなった人も、弟や妹(新人)の面倒を見る役割だと意識し、一生懸命に指導しようとします。
チーム内での役割が明確になることで、チーム全体の動きを円滑にすることができるのです。
「家族チーム」は心理学的にも上手い方法
人は役割を与えられるとその気になり、役割がないとき以上にやる気が出ます。
これは「スタンフォード監獄実験」のように、特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうといった心理学的要素も上手く取り入れています。
各々が役割を演じる(役割を与えられる)ことで、心理学的にも統一のとれたチームをつくることができ、結束力が高まります。
若手やOJTが苦手な年齢差のある会社は「家族チーム」構成にしよう
ANAと同じような事情で年代ごとの人数構成がワイングラス型になっていて、若手社員やOJTが苦手な会社の方へ。
もしチーム内で年の差ができていて上手くコミュニケーションがとれないという場合はチームを「家族」にたとえてみてください。
今回のたとえ話は組織運営に非常に有効です。
新人が部署にOJTで来るとなった場合にも楽しく過ごすことができます。
実際、今私のいる会社でも同じような年齢構成で、私が新人のときに配属された部署は一つ上の先輩が20歳も離れているというチームでした。
お互い歩み寄ろうとしたのですが、やはり年齢が離れていると両者がどう接していいかわからなくなってしまい、チーム内で若手とベテランに距離ができてしまいます。
そのときは、別の部署ではありましたが若手の先輩に親しくしてもらい救われた経験があります。
お兄さん・お姉さん役は必要です。
部署として、組織として、家族にたとえたチームのマネジメントを進めていただければ、苦心して採用した新人がすぐに会社を辞めてしまうという事態も防げます。
コミュニケーションの不備で貴重な人財を逃すのは本当にもったいないことです。
今回学んだたとえ話、「家族のようなチーム」を是非実践してみてください。
まとめ
・「家族のようなチーム」を目指そう
・部署内に年齢差がある場合はお兄さんやお姉さん役をつくろう
・弟や妹からも積極的に家族に絡みにいこう
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ
Photo by Brian Auer, Kai Hendry/flickr
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以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ
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