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2016年7月13日水曜日

【抽象のはしご】たとえ話はメンガースポンジ|思考の整理学のたとえ話


『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら


こんにちは、ヒデヨシです。

『思考の整理学』(外山滋比古 著、筑摩書房)は1986年に第一刷が発行され、刊行30年経った2016現在、200万部を超える大ベストセラー本で時代を超えたバイブルとして今も多くの人から愛されている一冊です。



本書には数えきれないほどのたとえ話が使われています。

それぞれが学び深いものばかりであるため、たとえ話が上手くなるブログとして「思考の整理学のたとえ話」をシリーズ化することにしました。

(『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら

今回は本書より、「抽象のはしご」というたとえ話を紹介します。



1次情報、2次情報、3次情報とは



まず、抽象のはしごを語る上で必要な1次情報、2次情報、3次情報について話をしておきます。


1次情報:
現実におきた事実のことです。

2次情報:
1次情報を、人に伝わるように収集・整理したものです。

3次情報:
2次情報をさらに抽象化して要約・一般化したものです。


具体的に、交通事故のニュースでたとえてみましょう。

・1次情報(事実)


交通事故が起こり、運転手だけが乗っていて軽いけがをした。


・2次情報(事実の収集と整理)


◯◯県、◯◯市で交通事故が発生。車は大破したが運転手は軽傷で済んだ。他にけが人はいなかった。現場は見通しのよい交差点で、警察は事故の原因を調べている。飲酒運転の可能性があり、引き続き事情聴取を行っている。


・3次情報(要約・一般化)


要約されたニュース報道。◯◯県、◯◯市で交通事故が発生し、運転手1人が軽いけがをした。飲酒運転の可能性があり、警察は原因の調査と事情聴取をしている。



以上のように、本書では1次情報、2次情報、3次情報を定義しています。



「抽象のはしご」とは?



「抽象のはしご」とは、状況に応じて抽象度を変化させることのたとえ話です。

すなわち、抽象のはしごを上り下りするとは、1次情報、2次情報、3次情報を使い分けるという意味合いになります。(登るほど抽象度は上がり、降りるほど抽象度が下がる)


対人のコミュニケーションを円滑にしたいのならば、抽象のハシゴを降りて1次情報ベースで話したほうがよいでしょう。

抽象的で漠然としている話は何を言いたいのか理解できません。わたしたちの日常生活でもわかるように、事実や具体性がなければコミュニケーションを図ることは非常に難しくなります。


反対に、たとえば、辞書をつくるときは単語など(事実)を誰もが使いやすいように並べ替えて体系的に編集しています(収集)。さらに「索引」をつくり、検索性を高めています(要約)。

この辞書のつくりかたのように、思考を一般化・普遍化するときは抽象のはしごを登ります。


まとめると、

人とコミュニケーションを図るときは1次情報、事実をベースで考える。(抽象のはしごを降りる)

何かをまとめるときは特に2、3次情報、収集と整理と要約ベースで考える。(抽象のはしごを登る)

となります。



たとえ話は何次情報?



ふと考えたのですが、たとえ話は何次情報になるのでしょうか。


たとえば、「少女の笑顔はひまわりのようだ」というたとえ話を考えてみます。

これは、少女の笑顔がかわいらしい、明るい、生き生きとしているといった意味合いが込められています。

このたとえ話は

「かわいらしい、明るい、生き生きしている」=「ひまわり」

という言葉に要約していることになります。

かわいらしい、明るい、生き生きしているというのは、事実を見た人の収集した情報になりますから2次情報です。(1次情報は「笑っている」という事実です。)

そして、それを「ひまわり」という要約・一般化したものに置き換えているので、3次情報でもありますね。

抽象のはしごを登っています。

「ひまわり」だけでは意味は通じません。「かわいらしい、明るい、生き生きしている」という意味合いがあれば通じます。

ということは、2次情報と3次情報の間です。

今回、たとえ話は2次情報と3次情報の間、メンガーのスポンジにたとえ、2.7次情報と結論づけました。



補足:メンガーのスポンジとは


メンガーのスポンジ

メンガーのスポンジとは自己相似なフラクタル図形の一種であり、立方体に穴をあけたものである。そのフラクタル次元(ハウスドルフ次元、相似次元)は log20/log3(=2.7268....)次元である。メンガーのスポンジの面は同じくフラクタル図形のシェルピンスキーのカーペットでできている。
(出典:Wikipedia『メンガーのスポンジ』頁)

2次元でも3次元でもない約2.7次元のモノ(フラクタル図形)です。

「◯次元」と「◯次情報」を同じ次元で話していいかは別として、2次と3次の間ということでしっくりきたため今回適用させていただきました。



まとめ



・人と話すときは1次情報(事実)ベースでコミュニケーションしよう

・一般化するときは2次、3次(収集、整理、要約)情報ベースでまとめよう

・たとえ話は2.7次情報



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


Photo by goshesheMiles Bader / flickr





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