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2016年7月28日木曜日

アイデアソンに使える「三上、三多、三中」|思考の整理学のたとえ話


『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら


こんにちは、たとえ話ブロガーのヒデヨシ(@hideyoshiy)です。

『思考の整理学』(外山滋比古 著、筑摩書房)は1986年に第一刷が発行され、刊行30年経った2016現在、200万部を超える大ベストセラー本で時代を超えたバイブルとして今も多くの人から愛されている一冊です。



本書には数えきれないほどのたとえ話が使われています。

それぞれが学び深いものばかりであるため、たとえ話が上手くなるブログとして「思考の整理学のたとえ話」をシリーズ化することにしました。

(『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら

今回は本書より、アイデアソンに使える「三上、三多、三中」というたとえ話を紹介します。



アイデアソンとは



アイデアソン(Ideathon)とはアイデア(Idea)とマラソン(marathon)をかけ合わせた造語です。

ある特定のテーマがあり、それについて様々な専門性をもったメンバーが集まって、対話をします。そこから新しいアイデアの創出やビジネスモデルの構築、アクションプラン、などを短期間で行うイベントのことです。

アイデアソンは短期間で行われるため、集中してアイデアを創出する必要があります。

「三上、三多、三中」はアイデアを効率よく生み出す場所、行動、状況を表したたとえ話です。

それぞれ紹介していきます。是非活用してみてください。



新しいアイデアが生まれる場所「三上」



“ ものを考えるには、ほかにすることもなく、ぼんやり、あるいは、是が非でもと、力んでいてはよくない、というのが三上の考えによっても暗示される。いくらか拘束されている必要がある。ほかのことをしようにもできない。しかも、いましていることは、とくに心をわずらわすほどのこともない。心は遊んでいる。こういう状態が創造的思考にもっとも適しているのであろう。
(P.174)


何か単純作業をしていて思考に余裕があるような場所がアイデア発想に適しているようです。

三上とは「馬上、枕上、厠上」のことを指します。

・馬上


馬上は馬の上という意味です。一定の速度で歩いている馬の上では少しぼーっとすることができます。その状態がアイデアの発見に適しているのです。現代でいえば、電車の中がこの状態に近いでしょう。


・枕上


枕上は枕の上です。夜寝る前のリラックスしているとき、もしくは朝起きて思考が整理されているときに良いアイデアは浮かびやすくなっています。すぐにアイデアのメモがとれるようにノートとペンをベッドの横においておくとよいでしょう。


・厠上


厠上はトイレの上です。トイレの個室はまさに聖域。日常生活で外界と隔絶された自分だけのリラックス空間です。すっきりしてリラックスしている状態はアイデアを思いつきやすくなっています。



共通しているのは、考え込む場所ではなく、リラックスできるような場所だということです。良いアイデアは脳がリラックスしているときにひらめきやすいようです。



新しいアイデアを生む行動「三多」



三多とは「看多、做多(さた)、商量多」のことです。

もとは文章上達の秘訣3か条ですが、一般的な行動に置き換えることができます。

・看多


多くの本を読み情報を集めることです。気になる人の発言をSNSで収集したり、インターネットからの情報収集もこれにあたります。


・做多


多くの文章を書くことです。文を書くことに留まらず、発明や創作活動をしてみたり、とにかくアウトプットを増やします。


・商量多


商量多とは、たくさん工夫をすることです。文章なら何度も推敲し、発明品ならどんどん工夫を重ねて使いやすいものにしていきます。



多くをインプットし、多くをアウトプットし、吟味や批判を加えて試行錯誤をしていく。これら三多を実践することで知識や思考は純化されて自分のスキルが高まります。



新しいアイデアの生まれる状況「三中」



三中とは「無我夢中、散歩中、入浴中」のことです。

これも三上に似ていますが、その状況が少し異なります。

・無我夢中


物事に没頭しているときは、脳のパフォーマンスが上がっており、面白いアイデアが生まれやすくなります。リラックスすることも大切ですが、時には没頭することも必要になります。


・散歩中


散歩のよいところは肉体を一定のリズムで動かし、脳への酸素供給を促し脳の機能を高めることができることです。また、激しい運動と違って疲れによる思考力の低下もなく、考えることに集中できます。


・入浴中


入浴中も同様に、脳への酸素供給を促し、思考しやすい状態になります。気分も高揚して鼻歌を歌ったりするとき、リラックス状態にもなっているため、物事を考えるのにうってつけの環境です。



無我夢中、散歩中、入浴中など何かをしている最中にアイデアが浮かぶことはよくあります。そのアイデアは思いついてもすぐに消えてしまう短気記憶ですから、すぐに何かしらにメモして忘れないようにしましょう。スマホは便利なメモツールになります。是非活用してみてください。



まとめ



・三上は、馬(電車)の上、枕の上、トイレの上でリラックスできる場所

・三多は、インプット、アウトプット、試行錯誤の繰り返しの行動

・三中は、脳へ酸素が送られる状況をつくって思考する状況



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


Photo by Pimthida / flickr





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