photo credit: Adrien Leguay via photopin cc |
こんにちは、ヒデヨシです。
「ひらめいたっ!」
良いアイデアが生まれたとき、あなたはどのような感覚をもつでしょうか。
電撃が走る、ガツンと強い衝撃が走る、雷に打たれる、あるいは神様が舞い降りてきたかのような感覚をもつなど、ひらめいた瞬間は実に様々にたとえられます。良いアイデアであればあるほどその感覚は強いものとなります。
そんな衝撃的なアイデアは一体どのような場所で最も生まれやすいのでしょうか?
この疑問の答えを研究しているのが作家であるSteven Johnson(スティーブン・ジョンソン)氏です。彼は数年をかけて、クリエイティブなアイデアが生まれやすい環境を見出しました。
それはあなたが無駄だと感じている「ある空間」だったのです。
今回はジョンソン氏のTEDカンファレンスから、革新的なアイデアが生まれやすい環境は一体どこなのかを学びます。また、アイデアは長期的にゆっくりと形成されるものだという新しい発想から、ひらめいた瞬間の新しいたとえ方も学びましたので併せて紹介します。
スピーカー:Steven Johnson(スティーブン・ジョンソン)氏
タイトル:Where good idea come from「良いアイデアはどこで生まれる?」
アイデアが突然「ひらめく」は間違っている?
ジョンソン氏は革新的なアイデアというのは時として何十年も心の底でくすぶっているものだと言います。新しいアイデアを生んだ人の多くはそのアイデアを「突然思いついた」として語りたがりますが、実は過去の記録を調べてみるとそのアイデアにはとても長い熟成期間があることがわかりました。
ここではダーウィンを例に挙げています。
進化論で有名なダーウィンですが、自然淘汰説をひらめいたのは1838年10月に人口に関するマルサスの本を読んでいるとき。しかし、その時代のダーウィンが残した膨大な量のノートを調べ返してみると、自然淘汰説に関するちょっとした気づきのメモなど、小さなアイデアの種が数多くメモされていることが判明しました。
実は自然淘汰説は、ダーウィンがひらめいたときよりも何ヶ月も前から出来上がっていたのです。しかし、アイデアの種を持っていたにもかかわらずその一つ一つの結びつきを完全に考え抜けていなかったため、ひらめくまでに時間がかかってしまいました。そんな中、マルサスの本が引き金となり自然淘汰説をひらめくことができたのです。
ジョンソン氏はこの話から、優れたアイデアとは長期にわたり少しずつ蓄積し、蓄積された小さなアイデアがぶつかる環境が重要なのだと主張しています。
アイデアは一体どこで生まれやすいのか?
ロダンの「考える人」は何かを熟考している姿でとても有名ですね。一日中考えていても、良いアイデアがパッと浮かぶことはなかなかありません。では一体どのような環境であればアイデアが浮かぶのでしょうか。
ジョンソン氏の研究によると、革新的なアイデアが生まれる環境は、何と「会議」だというのです!
(会議は多くの場合無駄だと決めつけているみなさん、落ち着いてください!)
これには説明が必要です。会議とは非生産的なものランキングの上位に占めている、革新的なアイデアとはかけ離れた存在と考えている方も多いかと思います。ただし、ここでいう会議とはただの報告会ではなく、アイデアを交換しぶつけ合う空間をいいます。
この結果は、世界中の研究機関の施設内にカメラを仕掛け、革新的なアイデアが施設内のどこで生まれるのかを観察した研究に基づきます。
この研究から、重要なアイデアが生まれるのは週1回開かれる研究室の会議だということを突き止めました。その会議は全員で最新のデータや成果、エラーやノイズなど失敗の内容も含めて持ち寄り議論するというものでした。様々な材料を持ち寄りぶつけ合うことで革新的なアイデアが生まれるのです。
ジョンソン氏はこのようなアイデアの種がぶつかり合う環境を「Liquid Network(流動的ネットワーク)」と読んでいます。水分子が自由に動いて、ぶつかり、つながり合うように、様々な立場や興味の異なる人が集まり互いに意見を交換することで、今までに無い組み合わせが生まれ革新的なアイデアへと発展するのです。
アイデアは「結露した!」でたとえよう
ジョンソン氏の話から、アイデアは突然ひらめくものではなく、長い潜伏期間を越えて生まれること、価値観の異なる人同士のアイデアの交換・ぶつけ合いの場が必要だということがわかりました。
これらの話から、アイデアが浮かぶ瞬間を何にたとえられるか考えたのですが、私は「結露した!」とたとえてみたところなかなかしっくりきました。(結露は湿った空気の中に冷たいものがあるとその表面に水の粒ができる、夏場に冷たいグラスに水滴がつくような現象です。)
結露によってアイデアが生まれるプロセスは以下のようなもの。
・湿った空気にはたくさんの水の粒(アイデアの種)が浮いている
・湿った空気の中に冷たいグラス(アイデアがぶつかる環境)をおく
・グラス表面で水の粒がぶつかり大きくなった結果、結露(アイデアが誕生)する
アイデアは突然ひらめくものではなく、蓄積されたアイデアの種をぶつけることで、じわっと発生します。
結露は「水の粒=アイデアの種」と「冷たいグラス=アイデアをぶつける場」というジョンソン氏の言うアイデアが生まれるプロセスと多くの共通点をもっています。
アイデアが突然ひらめくのは今や科学的に古い 。これからはじわっと「結露した!」で是非たとえてみてください。
まとめ
・優れたアイデアを生み出すには「アイデアの蓄積期間」と「アイデアをぶつける場」が必要
・ 革新的なアイデアは様々な意見を交換する「会議」で生まれやすい
・アイデアはビリッとひらめくのではなく、「じわっと結露」でたとえる
もしあなたが革新的なアイデアだと思えるものを持っているなら、それを積極的にアウトプットしていきましょう。革新的なアイデアとは結局のところ発想の組み合わせに新規性があるかどうかです。
ジョンソン氏の言うように異なる価値観を持った人とアイデア交換することでさらに新しい結びつきが生まれ、じわっと結露して、世の中を変える革新的な発想が生まれていきます。
一人で「考える人」になるよりもミーティングやSNSなどを通してアウトプットし、いろいろな人と意見を交換した方が生産的です。優れたアイデアが生まれ、新しい人とのつながりも生むことができますからどんどん交流をして新しい環境に飛び込んでいきたいですね。
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ
【たとえ話が上手くなるサイト】
PARABLE ANTENNA
【おすすめの関連記事】
・『思考の整理学』たとえ話リンクまとめ
・「ひらめいた」はもう古い。アイデアは「結露した!」でたとえよう|TED|Steven Johnson|スーパープレゼンテーション
・【吸わん!】禁煙の日から学ぶ、ダジャレでアイデア発想法【スワン!】
・英語の前置詞でたとえ話が上手くなる【かばんはハンカチの上に置きなさい】
・これでスルーされない!人が興味を持つ印象的な感想の作り方・伝え方
・プロアフィリエイター直伝!印象的な検索キーワードとたとえ話のコツ
・相手が知らないものは「たとえ話」+「具体例」で説明しよう
・【TED】プレゼンのプロから学ぶ、上手いたとえ話の基礎
・世界一つまらないスローテレビとたとえ話のつくりかた|TED|スーパープレゼンテーション
・なぜ!?僧侶は「瞑想」をジャグリングでたとえる|TED|
・先延ばし改善!すぐ行動できる「動きスイッチ」を押そう
・『スパルタ婚活塾』水野敬也による、ダメ婚活女のおしおきたとえ話
・『スパルタ婚活塾』水野敬也による、爆笑ドSたとえ話
・誰でも幸せになれる考え方。人生は一列のオセロゲーム
・【現代ことわざ】石の上にも3年〜上手なたとえ話のつくり方とコツ〜
たとえ話が上手くなるブログトップへ