『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら
こんにちは、ヒデヨシ(@hideyoshiy)です。
『思考の整理学』(外山滋比古 著、筑摩書房)は1986年に第一刷が発行され、刊行30年経った2016現在、200万部を超える大ベストセラー本で時代を超えたバイブルとして今も多くの人から愛されている一冊です。
本書には数えきれないほどのたとえ話が使われています。
それぞれが学び深いものばかりであるため、たとえ話が上手くなるブログとして「思考の整理学のたとえ話」をシリーズ化することにしました。
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今回は本書より、ことばや文章そしてたとえ話を削ぎ落としてシンプルにわかりやすくする「純化」と、ビジネスに欠かせない倒置法の話を紹介します。
修飾語が多いと言葉がうすまる
“ 修飾語を多くつけると、表現は弱くなる傾向をもっている。「花」だけでいいところへ「赤い花」とすると、かえって含蓄が小さくなる。「燃えるようなまっ赤な花」とすると、さらに限定された花しか伝えなくなる。修飾を多くすれば厳密になる場合もあるけれども、不用意に行うと伝達性を損ないかねない。
(P.141)
「花」と「燃えるようなまっ赤な花」では文章における「花」という言葉の割合が違います。
花:
1文字/1文字(純度 100%)
燃えるようにまっ赤な花:
1文字/11文字(純度 9%)
修飾語が多くなるほど、水に落とした絵の具のように、「花」という言葉の濃度(割合)はうすくなってしまうことがわかります。
口数が多くて何を言いたいのかわからない人
あなたの周りにいませんか?
これは、先ほどの例で言う話の濃度のうすい人と言えます。
話がいったりきたりでわかりにくくなってしまうのは、話が純化されていないためです。
話を純化するとは、表現の無駄を削いでシンプルにしていくことです。
そして、極限まで表現の無駄を削ると、「名詞」に近づいていきます。
“ 表現をぎりぎりに純化してくると、名詞に至る。まず、副詞が削られる。(中略)副詞の次には形容詞もぎりぎり必要なものでない限り、落とした方が、考えがすっきりする。
(P141-142)
確かに、「花」だけを伝えたいなら、何も修飾せずに伝えた方がわかりやすいですね。
これと同じように、人の話も表現を削ぎ落とすと、自分も相手も分かりやすくなります。
思考を整理するときは意識して純化(名詞化)してみましょう。
倒置法でたとえをわかりやすくしよう
たとえ話は相手の理解を促すツールです。
説明として、用いたいところですが、たとえ話を増やすと話を純化できなくなってしまいます。
もし、説明として不要なら、いっそのことたとえ話を削ってしまいましょう。
その方がシンプルになります。
・・・と、それも一つの手なのですが、どうしてもたとえ話が使いたい!という方が多いでしょう。
そんな場合には、倒置法を使ってみてください。
先ほどの「燃えるようにまっ赤な花」で伝えたいのは「花」です。
倒置法にすることで、ことばの純化(名詞化)をするとともに、たとえ話も残すことができます。
「燃えるようにまっ赤な花」
↓
「花。それも、燃えるようにまっ赤な。」
このようにすると、ことばを純化できると同時に説明もできてわかりやすくなりますね。
倒置法はビジネスの基本です
これはビジネスではごく一般的に使われる話のテクニックです。
いわゆる、結論から先に話す、というものです。
結論を先に話すことは、話の最も重要な部分を話すことになります。
先に純度の高い名詞を伝えてから説明を追加する。
ビジネスマンは、実は思考を整理する方法を実践しているんですね。
もし、自分ができていないと心当たりのある方は倒置法を意識して、話を純化してみてください。
まとめ
・修飾語が多いと話の純度が下がってしまう
・たとえ話を話すときは「倒置法」にするとわかりやすい
・倒置法はビジネスの基本
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ
Photo by Visha~~AWAY..VERY BUSY / flickr
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