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2016年7月27日水曜日

人も企業も近親交配のリスクに要注意|思考の整理学のたとえ話


『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら


こんにちは、たとえ話ブロガーのヒデヨシ(@hideyoshiy)です。

『思考の整理学』(外山滋比古 著、筑摩書房)は1986年に第一刷が発行され、刊行30年経った2016現在、200万部を超える大ベストセラー本で時代を超えたバイブルとして今も多くの人から愛されている一冊です。



本書には数えきれないほどのたとえ話が使われています。

それぞれが学び深いものばかりであるため、たとえ話が上手くなるブログとして「思考の整理学のたとえ話」をシリーズ化することにしました。

(『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら

今回は本書より、「人も企業も近親交配に要注意」というたとえ話を紹介します。



近親交配とは



インブリーディング(inbreeding)ということばがある。同系繁殖、近親交配、近親結婚のこと。ニワトリでも同じ親から生れたもの同士を交配し続けていると、たちまち、劣性になってきて、卵もうまなければ、体も小さくて、弱々しいものになってしまう。
(P.166)


生物は遺伝子的に近しいものと交配していくと劣性遺伝子が強くなり、正常な機能を果たさない子孫が生まれてしまう可能性があります。

これは自分とは異なる遺伝子交配によって、より強い遺伝子を残すためと考えられています。

兄弟姉妹での近親婚が認められていないのは遺伝子が劣性になってしまうためです。



企業の近親交配



企業などが同族で占められていると、弱体化しやすい。(中略)似たものは似たものに影響を及ぼすことはできない、という。同族だけで固まっていると、どうしても活力を失いがちで、やがて没落する。
(P.167)


会社に限らず、組織があったとき同じような考え方の人で占められていると、刺激を受けなくなり、成長がストップしてしまいます。

ことわざで言う「井の中の蛙大海を知らず」の状態になり、組織がガラパゴス化してしまうのです。そんな中ではイノベーションは起こせません。

人も、組織も近親交配には注意しなくてはなりません。



イノベーションの近親交配を防ぐために



組織をガラパゴス化から救い、イノベーションの近親交配を防ぐためには以下の3つが求められると著者は言います。


ダイバーシティ(多様性の享受)


ダイバーシティとは多様性という意味です。組織の場合、陥りやすいのは組織の風土に合う人を採用しすぎてしまうことです。一見よさそうに見えますが、同じような人が集まり新しい価値観に触れる機会が少なくなってしまいます。(良い意味で)破壊的な行動、周りと違った行動をとる人を選ぶことも必要です。選ぶときに勇気がいりますが、組織に新しい風を吹かせるためには不可欠です。


ブレインストーミング(否定しない議論)


ブレインストーミングとはアイデアを否定せずに数多く出し合う方式の思考法です。著者はブレインストーミングは思考を整理する効果があるといいます。考えの偏りを防ぐことができ、組織の風土とは合わないアイデアも肯定することで、普段とは違う価値観に触れることができます。


インターディシプリナリー(垣根を越えた協力)


インターディシプリナリーとは、多くの専門的知識が必要な問題があったとき、様々な領域の専門家が協力し合うことです。各々の分野の垣根を越えた協力関係が新しいものを作り上げるためには欠かせません。



調べていると、ハーバードビジネスレビューにも同様のことが書かれていました。参考にリンクを載せておきます。

Stop Inbreeding Innovation, Scott Anthony, MARCH 30, 2012
https://hbr.org/2012/03/stop-inbreeding-innovation

もし、自分の所属する組織がガラパゴス化していると感じるなら、以上3つの要素を思い出してみてください。

組織の近親交配を避け、異なる考えをもった人を歓迎し、イノベーションを起こしましょう。



まとめ



・近親交配は劣性遺伝子を強めてしまう

・組織はガラパゴス化しやすい

・組織をガラパゴス化から救う3要素で異なる遺伝子を歓迎しよう



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


Photo by Hamed Masoumi / flickr





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