お金持ち、なりたいですね、お金持ち。
『できる人のお金の増やし方 The Rules of MONEY』(リチャード・テンプラー 著、桜田直美 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者はお金持ちの一人です。
本書の著者は、イギリスで最も成功した出版社と呼ばれている「White Ladder Press」をたった4年で育て上げ、他にも旅行代理店、スーパーマーケットチェーン、レストラン、カジノ、大学自治会などを持つ大富豪です。
“ 必要なお金を手に入れるには、「お金持ちとそれ以外の人では、何が違うのか?」という秘密を知ることから始めなければならない。つまり、あなたが学ぶべきは「お金持ちの法則」であり「お金持ちの考え方」だ。
(はじめに より)
本書では、お金持ちのマインド、お金の増やし方、投資、相続、お金の貸し借りの注意点など、著者の成功体験から得られた「お金持ちの考え方」を惜し気もなく紹介してくれる一冊です。
今回は本書より、お金持ちになるために欠かせない6つのたとえ話を紹介します。
どれもお金持ちになる教訓を表した見事なたとえ話ですので、一緒に学んでいきましょう。
お金持ちに欠かせない6つのたとえ話
お金とお金持ちは皆共通してもっている性質があります。本書ではそれを上手く表したたとえ話が紹介されています。
- お金はウサギのようなもの
- お金は車輪を回すオイル
- お金の水漏れを防止しよう
- お金の選択肢は嵐の海のよう
- お金の運用は武士道精神で
- お金はハエのように素早く判断
それぞれのたとえ話をみていきましょう。
お金はウサギのようなもの
“ お金がお金を生む——お金について、これ以上の真実は存在しない。お金はまるでウサギのように静かに、しかしあっという間に繁殖する。金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になる——悲しいことだが、事実だから仕方がない。
(P.36)
お金は働かせるものだと著者はいいます。お金をただ貯金しておくだけではなく、投資をして運用し、複利という概念を適用することで、お金がお金を生み出し続けてくれるのです。
複利計算によってものすごいスピードで増えるお金をウサギの繁殖力とかけた上手いたとえ話です。
お金は車輪を回すオイル
“ お金それ自体が問題を解決してくれることは絶対にない。お金は車輪をなめらかに動かしてくれるオイルだ。お金は決してエンジンにはなれない。
(P.41)
お金で問題を解決しようとすると、問題の本質が見えなくなると著者は言います。お金がすべてを解決してくれるわけではないということです。
たとえばお金があっても幸せになれない、スリムになれない、心の平和が手に入らないなど、お金にもできないことはたくさんあります。
お金は単なるツールです。時には物事の解決をオイルのようにスピードを高めて円滑に進めてくれるかもしれませんが、問題の本質はお金では解決できないことが多いという教訓です。
お金の水漏れを阻止しよう
“ お金も水と同じで、たくさんあっても、水漏れしていたら、いつの間にかなくなるということだ。税金、利息の支払い、むだづかい……、お金が漏れる原因は数限りなくある。お金をコントロールしたいなら、まず水漏れを止めなければならない。
(P.62)
お金は水漏れのように気づかないうちにどんどん減っていきます。そのままにしておくと、腐食してそこからさらに多くのお金が流れ出てしまいます。
お金が流れ出るスピードが早いようなら、一度今の財務状況を把握して改善する必要があります。
固定費(家賃、光熱費、保険料など)はいくらか、変動費(趣味、レジャー、旅行など)はいくらかあなたは把握できているでしょうか。
収入と支出の状態を見て、無駄があるようなら見直しましょう。特に固定費は大きな水漏れになっている場合が多いです。たとえば保険料などのプランを見直すことも一つの手でしょう。
お金の選択肢は嵐の海のよう
“ 沖に出たときに海が荒れてきたら、身の安全を確保するために、港に非難する必要がある。そのときの判断基準はただ一つ「安全」だ。(中略)とにかく嵐を抜け出し、係留所が空いているうちに港に入らなければならない。お金を稼ぐこともこれと似ている。色々な選択肢の間で迷って時間をむだにするのではなく、そこにある選択肢から一つを選んで、迅速に行動すべきときがあるということだ。
(P.94)
世の中の経済状況が不安定な中では瞬時に判断して行動を起こさなくては大きな損失を被ることになります。
嵐の海という切羽詰まった状況での判断「安全」と同じくらいの緊張感をもって市場観察と判断をしなくてはなりません。
お金の運用は武士道精神で
“ 日本の武士は「迷わない、疑わない、驚かない、恐れない」というシンプルな武士道の教えを守っていた。これは武士だけでなく、人生のあらゆる場面で使える教えだ。戦いに挑む武士は、相手を見ながら静かに円を描く。そして、いきなり激しく襲いかかり、一瞬にして戦いは終わる。一瞬の動きだ。あなたが自分のお金を動かすときも、武士のような研ぎすまされた一撃が要求される。
(P.95)
日本の武士の戦いは一瞬です。動かないという選択肢もあるかもしれませんが、何かをするのは、何もしないよりはずっといいと著者は言います。
武士のようにつねに準備をしておいて、投資や商売をするという状況になったら全身全霊で賢い決断を下す。どうすれば相手を上回れるかを瞬時に計算してチャンスを逃さないという意気込みのこもったたとえ話です。
お金はハエのように素早く判断
“ ハエを捕まえようとしたことはあるだろうか。人が手を振り下ろす瞬間、ハエはその動きを予測して、飛び去っている。ハエには人間の動きがスローモーションのように見えている。ハエのように、何かが起こる前にそれを予測する能力を身につけよう。人がそれを可能にする唯一の方法が、長期で思考することだ。
(P.140-141)
長期の思考とは、世界がスローモーションで動くなかで、自分だけが超高速で動くような、ハエのような感覚をもつことだと著者は言います。(ハエのような反射神経と動体視力をもつことではありませんよ)
長期的に思考していれば、おのずと予想されることも見えてきます。トラブルや経済的な動きなど、いくつものパターンをあらかじめ予想しておけば、重大なダメージを受ける前に対策を打つことができます。
その予測力を、ハエのようなスローモーションと表現しているんですね。非常に上手いたとえ話です。
たとえ話の気づき
これら著者のたとえ話は著者の感じた教訓を上手く表現しています。やはり、判断力とスピードが問われる世界なので、スピードに関するたとえ話が多いですね。
それだけお金持ちになるにはスピード感が必要だということです。
私個人としては、「嵐の海での判断」と「武士の戦い判断」はスピード感と緊迫感が上手く出ているので、たとえ話としてお気に入りです。これから是非使わせていただきましょう。
まとめ
・お金を働かせることで、複利によってお金持ちになれる
・自分の収入と支出を見直し、お金の水漏れをなくす
・できうる限り未来の長期予測をし、スピードのある判断をする
“ とにかく、お金を増やしたいのなら、100パーセントの努力とコミットメントが必要なことは間違いない。自分が選んだ道を信じ、他人の言葉に惑わされてはいけない。その「他人」の中には私も含まれる。それでは、幸運を祈る。
(おわりに より)
ジョークを交えた締めで、フフッとなりました。
さいごに、私は本書を読んで一つ確信しました。
お金持ちになる人とそうでない人の大きな違い、それは「やっちゃう人」か「やらない人」かです。
あなたは、どちらでしょうか。
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ
【たとえ話が上手くなるサイト】
PARABLE ANTENNA
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