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2016年7月31日日曜日

思考の整理学の意味がわかる20のたとえ話




こんにちは、たとえ話ブロガーのヒデヨシ(@hideyoshiy)です。

『思考の整理学』(外山滋比古 著、筑摩書房)は1986年に第一刷が発行され、刊行30年経った2016現在、200万部を超える大ベストセラー本で時代を超えたバイブルとして今も多くの人から愛されている一冊です。



本書には数えきれないほどのたとえ話が使われています。

それぞれが学び深いものばかりであるため、たとえ話が上手くなるブログとして「思考の整理学のたとえ話」をシリーズ化することにしました。

今回は本書から厳選した20のたとえ話を紹介します。



『思考の整理学』の意味がわかる20のたとえ話

(各記事の題目をクリックするとそれぞれの記事を見ることができます。)


01:学生はグライダー


“ 学校の生徒は、先生と教科書に引っ張られて勉強する。自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力では飛び上がることはできない。
(P.11)

受動的な勉強法では子どもが本来もつ才能を存分に発揮できません。能動的で没頭できるものを与え、強制しない環境をつくることが現代に求められています。




02:人は花を見て枝葉を見ない



“ われわれは、花を見て、枝葉を見ない。かりに枝葉は見ても、幹には目を向けない。まして根のことは考えようともしない。とかく花という結果のみに目をうばわれて、根幹に思い及ばない。
(P.14)

情報が氾濫する現代では1次情報までさかのぼってその信憑性を確かめる必要があります。結果だけではなく、プロセスにも目を向ける大切さが語られています。




03:焦らしプレイのような道場教育



“ 入門しても、すぐ教えるようなことはしない。むしろ、教えるのを拒む。剣の修業をしようと思っている若ものに、毎日、薪を割ったり、水をくませたり、ときには子守りまでさせる。なぜ教えてくれないのか、当然、不満をいだく。
(P.17)

教えてほしくても教えてもらえない。焦らしに焦らされることで、能動的に師匠の技術を盗もうと必死になる。古来からある能動的な学習法を学ぶことができます。




04:面白い書評や論文はビールのように醗酵させる



“ ビールを作るのに、麦がいくらたくさんあっても、それだけではビールはできないと同じことである。これに、ちょっとしたアイディア、ヒントがほしい。(中略)読書、テレビ、新聞など、どこにどういう面白いアイディアがひそんででいるかもしれない。このヒント、アイディアがビール作りなら醗酵素に当る。
(P.31)

アイデアだけではモノは完成しません。アイデアは寝かせる必要があります。そして醗酵素となるヒントと結びついたとき、ビールのような、革新的なひらめきが得られます。



05:見つめるナベは煮えない


“ 早く煮えないか、早く煮えないか、とたえずナベのふたをとっていては、いつまでたっても煮えない。あまり注意しすぎては、かえって、結果がよろしくない。しばらくは放っておく時間が必要だということを教えたものである。
(P.38-39)

いくらナベを見ていても煮詰まるのが早まることがないように、思考もときには焦らずじっくり寝かせることが大切です。


06:思考のカクテルで交渉上手になろう


“ A、B、C、Dをまぜ合わせれば、カクテルのようになるであろうが、こういうバーテンダーに本当のカクテルができるわけがない。ちゃんぽん酒である。カクテルもどきでしかない。

(P.45)

自分の意見が正しいとは限りません。相手の意見も取り入れた上で思考を展開していけば、お互いが納得できる答えが得られます。そのための交渉術を学びます。



07:面白い会話が簡単に作れる5W1Hのカルタ編集


“ 「詩とは、もっともよき語をもっともよき順序に置いたものである」
(P.52)

アイデアを並べて、カルタ取りのように順番を「編集」していくと思考が整理されます。会話も同じで5W1Hの並び替えで会話を面白くつくることができます。



08:「ことば」は映画のようなもの


“ ことばのひとつひとつの単語は、映画のフィルムのひとコマひとコマに相当する。語と語の間にある切れ目、空白は、その前の後の生ずる残曳によって塗りつぶされて、意識されないものになる。フィルムを映写すると、映像が切れ切れにならないで続いて見えるのと同じ理屈である。

(※残曳(ざんえい):残像のこと)
(P.62-63)

ことばの一つ一つはまるで映画のフィルムのように、一定の流れがあるからこそつながっているように聞こえます。これはことばに「慣性」がはたらいているためです。言葉にも慣性の法則が当てはまることを学びました。



09:話が脱線する授業が面白いワケ


“ 脱線には義務感がともなわない。本来は周辺的なところの話である。それが印象的でいつまでも忘れられないというのは、教育におけるセレンディピティである。(中略)われわれはそういう気軽な話のうちに多くのことを自らも学び、周りのものにも刺戟(しげき)を与える。
(P.70-71)

脱線する話は比較的リラックスして聞くことができます。その結果セレンディピティ(思わぬラッキー)によってまた面白いアイデアが生まれます。だから脱線する授業は面白いんですね。



10:抽象のはしごの登り降り


人知の発達は、情報のメタ化と並行してきた。抽象のはしごを登ることを恐れては社会の発達はありえない。
(P.77)

抽象のはしごの登り降りとは、状況に応じて話の抽象度を変化させることです。対人コミュニケーションなら1次情報ベースで具体的に話すといった形です。




“ 植物でも苗床においただけでは、よく発育しないものがある。稲などその適例で、苗を田植えで移植する。それによって急に成長する。
(P.104)

稲の苗は田んぼに移すことですくすく成長します。同じように人が変わるには環境(コンテクスト)を変えることが不可欠です。



12:思考の倉庫から工場へ。時代は創造性を求めている


“ コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。(中略)そこでようやく創造的人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである。
(P.111)

人工知能やロボットの普及で人間の雇用機会はどんどん減ります。そんな中、コンピュータにはできない、何かを創り上げることができる人間が必要とされています。




13:忘却のウンコと嫌なことをすぐに忘れる6つの方法



“ 食べるものを食べる。消化して吸収すべきものを吸収したら、そののこりは体外へ排泄する。食べるだけで、排泄しなければ糞づまりである。これまでの倉庫式教育は、うっかりしていると、この糞づまりをつくりかねなかった。どんどん摂取したら、どんどん排泄しないといけない。忘却はこの不可欠な排泄に当る。目のかたきにするのは大きな誤りである。
(P.114)

人は忘れることで生きていくことができます。そんな「忘却」を排泄で表現した上手いたとえ話と、嫌なことをすぐに忘れる6つの方法を紹介しています。



14:時代が追いついた!は「生木」でたとえよう


“ 大工は生木で家を建てない。新しい木はいいようであるが、建築材料にはならない。乾燥してくると、ゆがむからである。変形する前の生木は、木材としては、いわば、仮の姿である。時間をかけて変わるべきところは変わらせてからでないと、家を建てることはできない。

(P.123-124)

生木は乾燥させなくては木材として使えません。思考も同じように新しすぎるアイデアは時代が必要としていない場合があります。そんなときはアイデアをいったん眠らせることが必要です。



15:スランプを克服するには知的マラソンを折り返す


知的マラソンレースにおいても、折り返し点をまわらないで突っ走るランナーが少なくない。折り返し点以後では、ただ、知識を増やすだけではいけない。不要なものはどんどんすてる。
(P.130)

知識は増やしすぎるとあふれてしまい、それ以上頭に入らなくなってしまいます。そうならないために「すてる」ことを意識して日々ミニマイズすることが思考の整理につながります。



16:行動のジャイロ効果で億劫な仕事が楽になる


“ 全速力で走っている自転車は、すこしくらいの障害をものともしないで直進できる。ところがノロノロの自転車だと、石ころひとつで横転しかねない。速度が大きいほどジャイロスコープの指向性はしっかりする。
(P.137)

自転車は動き出してしまえば転ぶことがないですね。自転車のように、人の行動も動き出して流れに乗ってしまえば億劫な作業も案外楽にできてしまいます。



17:ことばの純化(名詞化)と倒置法でたとえよう


“ 表現をぎりぎりに純化してくると、名詞に至る。まず、副詞が削られる。(中略)副詞の次には形容詞もぎりぎり必要なものでない限り、落とした方が、考えがすっきりする。
(P141-142)

無駄なことは言わない。言葉は余計なものをつけない方がわかりやすくなります。



18:人も企業も近親交配のリスクに要注意


“ 企業などが同族で占められていると、弱体化しやすい。(中略)似たものは似たものに影響を及ぼすことはできない、という。同族だけで固まっていると、どうしても活力を失いがちで、やがて没落する。
(P.167)

生物の近親交配は遺伝子が劣性になりやすいため控えられています。同じように、起業も同じような人しか周りにいなければ刺激がなくなりやがて衰退してしまいます。




19:アイデアソンに使える「三上、三多、三中」


“ のを考えるには、ほかにすることもなく、ぼんやり、あるいは、是が非でもと、力んでいてはよくない、というのが三上の考えによっても暗示される。いくらか拘束されている必要がある。ほかのことをしようにもできない。しかも、いましていることは、とくに心をわずらわすほどのこともない。心は遊んでいる。こういう状態が創造的思考にもっとも適しているのであろう。
(P.174)

アイデアを生むのに適した「場所」「行動」「状況」を表したたとえ話です。リラックスできる環境をつくり出すことが求められます。



20:人生は転がる石であれ


たえず職業を変えるのは、懸命ではない。(中略)イギリスにはこれを “ころがる石はコケ(お金)をつけない” と表現した。とにかく、じっと我慢が必要だということである。
(P.186)

変化の早い現代、特にアメリカを例に挙げると、1つの会社に留まることはナンセンスとされています。色々な環境に身を置きスキルアップして結果を残した方が自分の市場価値が上がるためです。




本書は東京大学、京都大学、早稲田大学の大学生協文庫部門のトップを占めている名著です。

刊行から30年経った今でも読まれ続けている秘訣は、やはりその深い中身にあります。昔の書籍のため表現が難しいところもありますが、じっくり読めば、現代でも通用する思考の整理学を身につけることができます。

多くのたとえ話とともに、是非本書も楽しんでみてください。




以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


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2016年7月29日金曜日

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2016年7月8日金曜日

会議で発言しない人の価値はゼロ!ひな壇芸人になろう


こんにちは、ヒデヨシです。

前回、『コンサル必須「雲雨傘のたとえ話」を簡単に身につける方法』の記事にて紹介させていただいた『コンサル一年目が学ぶこと』(大石哲之 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

タイトルには「一年目」と入っていますが、社会人一年目の人だけではなく10年、15年とベテランの社会人の方も使っている普遍の基礎スキルが分かりやすくまとめられいる名著です。

本書は分かりやすいたとえ話がたくさん使われています。今回はそんなたとえ話の中から、会議を「バラエティー番組のひな壇芸人」で表現したたとえ話を紹介します。





テレビ出演者で発言しない人の価値はゼロ



著者は分かりやすく、テレビのバラエティー番組のひな壇芸人にたとえて、非生産的な会議の危機的状況を説明しています。

テレビのバラエティー番組を想像してください。ひな壇に座っているたくさんのゲストたち。(中略)この1時間ほどの中で1度も喋らない人がいたとします。(中略)喋らないのになんで出演する必要があるのか? 喋らない人にどうしてギャラを払うのか? テレビに顔が映っていることが大事なのか? 数合わせなのか? 座っていればいいという役なのか? いろいろな疑問がわきます。テレビ番組には、喋らないゲストは呼ばない。呼んだからには、何か喋ってもらうようにする。それがふつうだと思います。
(P.223)


まったくもってそのとおりです。



会議で発言しない人の価値はゼロ



では、ビジネスシーンの「会議」ではどうでしょうか。


“ ずらりと10人ほどが会議室に並び、特定の人だけが喋っています。ほとんどの人は無言で、ときどき頷いたりするだけで、意見を求められるまでは何も喋りません。でも、最後まで頷いているだけならば、その人の価値はゼロなのです。
(P.223-224)


まったくもってそのとおりです。


この現象はとくに日本企業に多いのではないでしょうか。

何かを決定するために開かれるのが会議です。

それがフタを開けてみると、ただの上司からの報告会。解釈するのに苦労する文字ばかりの「読ませる」スライド。時間の無駄だと言う重たい空気。価値を見出せない人は内職を始める始末。

本来生産的であるべき会議が、全く生産的でない場所になってしまうことはしばしば見受けられるのではないでしょうか。



会議を生産的にする方法



会議を非生産的にしているのは、主催者、参加者どちらにも原因があります。

その原因と改善策を考えてみました。



主催者側の改善点



・会議の議題、目的がはっきりしていない


そもそも誰のための会議なのか、何を決めるための会議なのかが不明確。「定例会」として定期的に行っているからという理由で会議を設定するのはナンセンスです。しっかりと目的を参加者に告げて、可能なら参加者の選別もするべきです。


・パワーポイントがわかりづらい


細かい文字の羅列や表やグラフを見せられることが見受けられます。解釈を読み手の判断に任せるというのは、個人ごとに解釈が異なってしまうためお薦めできません。誰のための資料なのか、何を表しているのか、何を伝えたいのか、見やすくわかりやすい資料作りを心がけます。(使わないという手も一つですね)


・空気が重い(人が多すぎる)


会議に意味を見出せない人が集まると、空気が重くなり、積極的な発言も無くなり、非生産的になります。参加者を選別する、はじめに会議の意義を説明する、声のトーンを上げる、適宜指名して発言を促すなど工夫するとよいでしょう。



参加者側の改善点



・会議の目的を把握できていない


会議の目的を理解していれば、討論に参加することができ生産的な意見交換ができます。主催者が目的を示さなければ、何を決定する会議なのか質問しましょう。


・会議中に発言ができない


これはテレビで発言しないひな壇芸人と同じで価値のない存在になってしまいます。くだらないと思われる意見であっても発言しないよりはマシです。少しでも不明点、疑問点があれば積極的に質問したほうが、参加者全員のためになります。


・会議中もコストは発生している意識をする


これは主催者側にも言えることです。長過ぎる会議、内容の薄い会議は時間の無駄です。発生しているコストに見合っていないと感じたら、討論に積極的に参加して進行を促したり、会議の時間短縮を申し出たりすることも必要です。



改めて会議のあり方を考える



“ 会議とはセレモニーではなく、実際に物事を前に進めるために行われるチームワーク上の作業です。
(P.225)


著者の言うとおり、会議はセレモニーではなく、必要な行程の一つです。一体感のない、意味のない会議ほど非生産的なものはありません。

本書では出席者が発言しないことをとがめていますが、私は主催者にも問題はあると強く感じます。

トークバラエティー番組のようにトークテーマを定め、司会がひな壇芸人をいじるなどの工夫をこらして、主催者、参加者双方にとって意味のある会議を開くことが求められています。

組織として会議のあり方を今一度学んで、全員が生産的な時間を共有できるように話し合い、双方の納得できる会議のあり方を求めてみてはどうでしょうか。



まとめ



・会議で発言しない人の価値はゼロ

・主催者側、参加者側双方が改善して会議を生産的にしよう

・バラエティ番組の司会とひな壇芸人のように積極的になろう



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ







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2016年7月7日木曜日

コンサル必須「雲雨傘のたとえ話」を簡単に身につける方法



こんにちは、ヒデヨシです。

社会人になると「報連相をする」「結論から話す」「感情ではなくロジックで説得」など、基礎的なことをたくさん学びますね。

『コンサル一年目が学ぶこと』(大石哲之 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、タイトルには「一年目」と入っていますが、社会人一年目の人だけではなく10年、15年とベテランの社会人の方も使っている普遍の基礎スキルがまとめられています。


各界で活躍する元コンサルタントの方に取材をし、15年前の新人時代を思い出してもらうことにしました。そして、新人時代に学んだことのなかで、15年たっても記憶に残っていること、15年たっても役に立っていること、つまり、職業・業界が変わっても通用し、また、リーダーや経営者の立場になっても通用していることを挙げてもらいました。
(はじめに より)


元コンサルタントの方へのインタビューを通して得た、どんな年代、どんな業界でも通用する基本スキルが本書には凝縮されています。

今回は本書の第2章「コンサル流思考術」より、提案するときの基本である「雲雨傘のたとえ話」を紹介します。

コンサル業界ではもはや常識となっており、社会人としても知っておくべきたとえ話ですのでこの機会に学んでいきましょう。





コンサル的、雲雨傘のたとえ話



コンサルタント一年目で学んだことのなかで、とりわけわかりやすく、すっと頭に入ってきたことの一つに、雲雨傘の理論があります。

「黒っぽい雲が出てきたので、雨が降り出しそうだから、傘を持っていったほうがいい」

これは、事実と、解釈と、アクションの区別をつけることのたとえです。
(P.110)


「雲」「雨」「傘」にはそれぞれ意味があります。


「雲」=「事実」


実際に目で観測したこと、雲が出ているという誰が見てもわかる客観的な事実を表現しています。


「雨」=「解釈」


雲が黒いという事実から、雨が降るだろうという解釈を引き出していることを表現しています。


「傘」=「アクション」


雨が降りそうだという解釈から、傘を持っていくというアクションを起こすことを表現しています。


ここで大切なのは、「事実」「解釈」「アクション」の3つをきちんと区別することだと著者は言います。

これは提案における三位一体の基礎スキルであり、混同したり、一部を省略して結論づけてしまうと筋が通らなくなってしまいますので気をつけましょう。



雲雨傘の理論の注意点



・事実と意見と解釈を区別して提示する


たとえば、上司に報告しなくてはならないことがあるとき、事実だけをつたえるのか、自分の意見を伝えるのか、自分の解釈になおして伝えるのか、しっかりと区別して伝えなくては相手は混乱してしまいます。

状況をみて、必要なものを必要に応じて提示する必要があります。



・事実と解釈はセットで伝える


たとえば、血液検査の結果が返ってきたとします。検査の通知表にはヘマクトリット値、クレアチニン値、などよくわからない数字が並んでいます。

必要なのは数値という事実ではなく、この数値という事実が示すもの、体が正常なのか異常なのかという「解釈」です。

事実だけを並べられても困ります。

「だから何なのか?」という解釈もセットで導くことが必要です。



・選択肢と選んだ根拠を提示する


雨が降ってきそうだから傘を持っていくというのはわかりますが、雨にぬれないためのアクションは一つだけではありません。

傘を持っていく、レインコートを着る、タクシーを使う、リスケジュールする、出かけない、などの選択肢がある中でなぜその選択肢を選んだのか、選択肢と根拠をセットで示すことで相手を納得させることができます。



雲雨傘のスキルを簡単に身につける方法



雲雨傘の考え方はいわゆるロジカルシンキングの一つですが、社会人として必須のスキルです。どうすれば簡単に身につけることができるでしょうか。

著者はこのスキルをすみやかに身につける方法として見出しをつけることを提案しています。


では、どうしたら、このスキルをすみやかに身につけることができるのか? いちばん簡単な方法は、見出しをつけることです。

何か文章を書くときに(事実)(わたしの解釈)(推奨アクション)といった具合で見出しをつけることによって、頭の中がスッキリ構造化されます。それをそのまま仕事相手に見せてもよいでしょう。相手にとっても、事実、解釈、アクションが区別できて、とてもわかりやすいはずです。
(P.118)


3つの見出し
  • 事実
  • わたしの解釈
  • 推奨アクション

3つの見出しをつけて文章化など見える形にすることで、自分の思考を整理することができ、相手の理解を促すことにも役立ちます。

また、この見出しはチェック機能も果たすと著者は言います。この3つが揃っていない提案は説得力に欠けますので、もし誰かに提案することがあるのなら、この見出しをすべて埋めてから提案するとよいでしょう。

誰でも簡単に論理的な提案ができる方法ですので、是非仕事で活用してみてください。



まとめ



・雲雨傘は提案に必要なスキルのたとえ話

・雲雨傘の注意点を意識して相手とコミュニケーションを図ろう

・3つの見出しを活用して論理的に提案をしよう



ちなみに、本書の中で紹介されている30のスキルの中で、インタビューしたコンサルタントが口を合わせて大切だと言うスキルが「期待値を超える」だそうです。

プロとして、顧客の期待値を超え続ける、顧客の期待値をコントロールするというスキルはどの業界でも役に立ちます。知らない方は是非学んでみてください。


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ





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