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2016年4月1日金曜日

『覚えない記憶術』富士山頂のキッチンでソムリエになろう??意味不明なたとえ話の使い方


こんにちは、ヒデヨシです。

「む、矛盾している!」

『覚えない記憶術』(樺沢紫苑 著、サンマーク出版)のタイトルに目を奪われて衝動買いしてしまいました。まず目次をみて驚き!なんと50以上の「記憶術」と称されるノウハウが紹介されています。

本書の著者はFacebookのいいね約14万、Twitterのフォロワーは約12万、「日本で最もインターネットに詳しい精神科医」として多くのメディアで活躍している方です。

覚えないで記憶するなんて矛盾している!と思って読み進めていったところその意味に納得。インプットよりもアウトプットを重点的に行うことを推奨しており、さらには「アウトプット」よりも「外化」「記憶」よりも「記録」することにより脳を活性化させて、必要な記憶を引き出せるようにしようというものだったのです。

 

そして覚えない記憶術として、本書では富士山頂のキッチンスタジアムでソムリエになることが紹介されていました。これは記憶術を表した非常に面白いたとえ話なのですが、この記事を最後まで読んでいただければ、何を言っているか分からないと思うあなたも「なるほど」と納得していただけます。

今回は本書より、覚えずに記憶するための効果的なインプットと外化(アウトプット)の方法・メリットを学びます。

そして、記憶術を表した意味不明なたとえ話の謎を紐解いていきましょう。



外化とは


外化とは、アウトプットして記録として残すことです。

これはメタ認知といわれ、自分が考えていることを見える化して客観的に自分の思考に気づくプロセスです。アウトプットと似ていますが、アウトプットは「話す」など物理的に残らないものも含まれますので本書ではコトバを使い分けています。

外化をすると何らかの成果物が生まれ、それが記憶にも人生にも良い影響を与えると著者は言います。外化するメリットは以下のようなものです。(P.182より)

・自分が何を考えているのかを、自分で客観的に把握することができる
・自分の思考に対して、行動を変えることができる
・自分自身の考えをフィードバックできるので、自己成長につながる
・自分が何を考えているのか、他人に理解される
・コミュニケーションが生まれ、他者との共感も生まれる
・自分の考えを物理的に保管、保存できる。つまり記憶に残る

外化すると同時に自分自身での気づきや他の人からフィードバックをもらえることで、自己認知力が高まり、行動改善に役立つのだそうです。著者は「日本で最もインターネットに詳しい精神科医」の異名をもつだけあって、SNSや動画配信などで外化することを薦めています。

大切なのはアウトプットしたものを記録に残すことです。SNS以外にも、メモする、録音、録画、デジタルノートで共有するなど様々な方法がありますので自分に合った外化の方法を探しましょう。



富士山頂のキッチンでソムリエになろう??意味不明なたとえ話の使い方


タイトルを読んで一体何を言っているんだと思った方も多いでしょう。

私もその一人です。

今回のブログ記事タイトルは、本書にある50以上の記憶術の中から選んだ今回紹介する3つのノウハウ「富士山記憶術」「料理の鉄人理論」「言語化記憶術」を(私が)組み合わせたたとえ話です

それぞれの記憶術の説明には著者の経験を元にしたたとえ話が使われており、どれも共感・イメージ化しやすく面白いものだったためピックアップしました。では、それぞれの記憶術をみていきましょう。



富士山記憶術

勉強もしかり、読書もしかり、何かを理解し、記憶したい場合はまず、全体をとらえることです。全体の構成、流れ、展開を理解する。富士山の頂上から風景を見渡すように、まず全体を俯瞰し、オーバービューする。次に、細部を読みながら記憶していく。(P.99)

全体を見渡す行程を富士山から覗く絶景にたとえていますね。

物事を記憶する際にはまず全体像を把握してから部分ごとに覚えていきます。そうすることで、今学習しているモノが全体のどの位置づけなのかが分かり、脳の情報の関連づけを容易にします。

新書や参考書を読むとき、まず目次を読んで何が書かれているか全体を把握してから、興味のある部分を読み進めていくようなイメージです。



料理の鉄人理論

キッチンスタジアムの後方を見ると、肉、魚介、野菜など見た目も鮮やかな最高の食材がズラーッとならんでいます。それも、一瞬で分かるように食材ごとにきちんと整理されて、美しく配列されているではないですか。料理開始のドラが鳴った瞬間、シェフたちは、自分の料理に必要な食材を1分もかけずに集め終わります。(P.190)

たとえ記憶していたとしても、必要な情報を必要な形で引き出せなくては意味がありません。「記憶」=「食材」にたとえて、記憶を引き出す行程をテレビ番組『料理の鉄人』のキッチンスタジアムでたとえています。

普段から、自分の仕事、専門性に関する大量の知識、情報を、自分の頭の中に整理しておき、いつでも取り出せるようにしておくのです。(P.190)

急な仕事に対応できるプロは常に頭の中が整理され、利用できる状態になっています。私たちも頭の中を整理していつでも記憶を引き出せるようにキッチンスタジアムをつくっておかなくてはなりません。



言語化記憶術

なぜソムリエは、五感で感じたことをコトバに置き換えるのでしょうか。五感で受け止めた感覚は、潜在的な記憶にとどまることがあっても、それだけでは、自由自在に引き出せる記憶にはなっていません。いつでも思い出し、より明確に呼び起こすためには、言葉が必要なのです。(P.89)

私はこの書籍で初めて知ったのですが、ソムリエがワインをテイスティングした後に語るストーリーは、単なるパフォーマンスではなく、味を記憶したり、味の記憶を引き出して飲んだワインの情報と結びつけるためだったようです。

言語化するということは、記憶を整理しやすいツールに変え、意味づけをすることで、より正確なものにして、そして瞬時に呼び起こすことで、自在に応用できるようにするための最適な方法だと僕は思っています。(P.89)

グルメレポーターなど、五感で感じたものを言語化してアウトプットすることは記憶力の絶好のトレーニングなんですね。


以上、3つの記憶術からたとえ話を通して学んだ記憶術をまとめると、

・大局でとらえること
・情報を整理すること
・言語化すること

となります。記憶するためのインプット・アウトプットも効果的な方法を用いることで遥かに記憶しやすくなるのだそうです。今回は印象的なたとえ話で書かれていた3つを紹介しましたが、本書では50以上の記憶術が紹介されていますから、これらはまだまだ氷山の一角。

あなたは今、自分の記憶力に不安を感じていませんか?

もし感じているようでしたら、本書を読んで50以上ある記憶術のノウハウによって記憶力を回復・強化してみてはいかがでしょうか。(老化によるボケ予防にもなるそうですよ。)




3つの意味を1つにした意味不明なたとえ話の真意


今回の記事のタイトルは3つの記憶術を1つに複合したもだったのです。

上手いたとえ話をつくる要素は「イメージ化しやすい」「共感できること」の2つです。今回の「富士山のキッチンでソムリエになる」というたとえ話は、イメージはできるものの意味不明ですね。

しかし、意味不明だからこそ、ちょっと興味をもって読み進めていただけたのではないでしょうか。そして3つの記憶術の意味を込めたたとえ話に納得して少なからず共感していただけたのではないでしょうか。

意味不明なたとえ話を紹介し、その後に真意を説明することで、小説の謎が紐解かれるように、読み手は能動的に記事を読んで「そういうことか」と共感しくれます。

これはプレゼンにも応用できます。まず冒頭で意味不明なたとえ話により観客の興味を引いて受動的な姿勢から能動的な姿勢に変化させます。あとは謎を解いてあげれば納得と共感を生み出すことができます。

たとえ話には複数の意味を持たせることができるので、自分が説明したいモノを上手く組み合わせて意味不明に表現してみてください。謎が解けたとき、「なるほど」と大きな共感が生まれるでしょう。



まとめ

・外化(アウトプットしたものを記録)して、自分の考えを客観的に見よう

・大局でとらえ、記憶を整理し、言語化して記憶力をアップさせよう

・意味不明なたとえ話で相手の興味を引こう


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


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