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2014年6月1日日曜日

【ワールドカップ】Twitterと動物のたとえ話からプレゼンのオープニングを学ぶ|TED|Ethan Zuckerman|スーパープレゼンテーション

photo credit: Knight Foundation via photopin cc

こんにちは、ヒデヨシです。


いよいよ2014年FIFAワールドカップが開催されますね!また眠れない夜が続くと思うと、、、胸が熱くなりますね!!

日本戦の日程は以下の通りです。
6/15(日)10:00〜 VS コートジボワール
6/20(金)07:00〜 VS ギリシャ
6/25(水)05:00〜 VS コロンビア

仕事がある人も応援してから仕事に行くことができますね!朝活も捗ります。


イギリスのデイリーメール誌では2014年FIFAワールドカップ参加各国を動物にたとえている面白い記事があります。ちなみに日本は「キリン」でたとえられています。「猛獣を追い返す力を持っているが一度倒れると起き上がれない」からだとか。こういった表現も絶妙に的を射ていて面白いですね。

さて、ワールドカップと動物つながりで「Cala a boca,Galvão(カラ・ボカ・ガルバオ)」というフレーズをあなたは知っているでしょうか?「ガルバオ」はある鳥の一種で、2010年のFIFAワールドカップの際にTwitterで2週間も流行した言葉です。

この鳥、ただの鳥ではなくTwitterユーザーなら知っている、ある「2つ」の意味を持っています。今回はギークであるEthan Zuckerman(イーサン・ザッカーマン)氏のTEDカンファレンス(スーパープレゼンテーション)より、本当のグローバル化を進める方法と1つで複数の意味を持たせた上手いたとえ話を学びましたので紹介します。




スピーカー:Ethan Zuckerman(イーサン・ザッカーマン)
タイトル :Listening to global voices「世界の声に耳を傾けて」







ガルバオとは


ザッカーマン氏によると、ガルバオはブラジルに生息する絶滅寸前のオウムの仲間です。リオのカーニバルは世界的に有名ですが、そのカーニバルのために毎年30万匹以上のガルバオが殺されています。


また、ガルバオの羽は幻覚を見せる成分を含んでおり、ガルバオを吸引する人が後を絶たずガルバオを乱用する事態に発展しています。そのような悲劇的な状況の中、ガルバオを救援活動が世界中に広がっています。


レディー・ガガもシングル曲としてを出すほどの注目度で、Twitterで「Cala a boca,Galv
ão」とつぶやくと救援活動に10セントが寄付されるという世界規模の保護活動キャンペーンも行われています。

さあ、この流れに乗ってワールドカップを機会にあなたもTwitterで「Cala a boca,Galvão」とつぶやき、美しい鳥を絶滅の危機から救いましょう!



もう一つのガルバオ



・・・とガルバオについて話してきましたが、ザッカーマン氏の種明かしによると「ガルバオ」なる鳥は存在しません。リオのカーニバルの為に殺されてもいなければ幻覚作用のある羽も持っていません。もちろん絶滅を防ぐ保護活動もされていません。


Cala a bocaとはポルトガル語で「Shut up!(黙れ!)」という意味です。そしてGalvaoとはテレビのサッカー実況アナウンサーのことです。つまり、Cala a boca,Galv
ãoとは「黙れ!ガルバオ!」という罵倒の言葉だったのです。

サッカー実況者のガルバオさんは実況中に陳腐な言葉を連発して、どんな面白い試合もつまらなくしてしまうとのことです。そこでブラジル人サポーターが「Cala a boca,Galv
ão」
とTwitter上でつぶやくように呼びかけたところ大流行し、2週間もTwitterの注目ワードとなりました。



世界は広いのに私たちは狭い場所にいる


ザッカーマン氏は「Cala a boca,Galvão」のたとえ話から2つのことを学べると言います。

①インターネット上で多くの人の協力を得ることは簡単
②インターネットは世界中に繋がっているのに私たちは小さなコミュニティでしか繋がっていない

世界中にTwitterユーザーは大勢います。2013年10月時点の世界のTwitterユーザーランキングは以下の通りです。


1.アメリカ  (24.3%)
2.日本    (9.3%)
3.インドネシア(6.5%)
4.イギリス  (5.6%)
5.ブラジル  (4.3%)

(Regional distribution of monthly active Twitter users in October 2013, by statista)


さすがのアメリカが堂々の1位、日本人のユーザー数は世界2位です。ブラジルも5位に食い込んでいます。Twitterの全ユーザーの内の半分がたった5カ国で占められているにもかかわらず、私たちは普段Twitterをする際にアメリカ、インドネシア、イギリス、ブラジル人の比率の多さに気づいていません。

インターネットという世界中の様々な人と繋がる環境がありながら、私たちは「知り合い」や「似たもの同士」としかつながりを持っていません。facebookでもGoogle+でもTwitterでも視野が狭くなり内輪的なコミュニティになりがちです。

SNSと同様に視野が狭くなっているものはたくさんあります。

たとえば、アメリカの夜のニュースでは1970年代はニュースの35〜40%が国際ニュースだったのですが、2000年代では12〜15%まで下がっています。また、世界中の人が書いているWikipediaでさえも作成している国に偏りができてしまい、結局ユーザーが多い国や地域の内容が充実してしまいます。

私たちが海外の情報を調べる時は国内インターネットサイトを通して情報収集をしますが、それが既に「色眼鏡」をかけて世界を見ることになっているのです。世界が繋がってグローバル化が進んでいたと思っていたら、実はまだ国内から出ることができていなかったようです。


広い世界を広い視野で見るためには


私たちが視野を広げるためには今までとは異なる考え方や価値観に触れることが重要だとザッカーマン氏は言います。

ジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」で書かれているように、新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせに過ぎません。今ある別の価値観に触れることで自分の知識と組み合わさり、新しい発見をすることができます。

今はSNSの記事を読んだら関連する記事が表示されますが、私たちは自分の興味のない情報を集めようとはなかなかしません。従って、全く知らない分野の上質な情報をおすすめしてくれる人が今後必要になります。

たくさんの音楽の中からダンスホールのお客さんがノレる音楽を提供するDJの様に、その道のプロが異なる価値観の人でも興味を持てるように情報を吟味して提供し、新しい価値観に触れる機会を増やしてくれる「橋渡し役」が必要となります。

新しい価値観に触れることが本当のグローバル化なのです。

私たちは意識をしなければ同じサイトや情報ばかりを集めてしまいます。これからは全く別のコミュニティを覗いてみて、新しい価値観にどんどん触れて本当のグローバル化を進めていきましょう。



3つの意味をもったたとえ話



ザッカーマン氏はプレゼンのオープニングとして「Cala a boca,Galvão」のたとえ話を利用し、その後のプレゼンの展開を非常にスムーズに進めることに成功しています。

非常に参考になるのは1つのたとえ話なのにプレゼンのテーマに一貫した3つの意味を持たせており、その後の話にスムーズにつなげていることです。どういうことかというと、

「Cala a boca,Galvão」
→絶滅しそうな鳥
→実はおしゃべりなサッカー実況者
→Twitter(ぺちゃくちゃしゃべるの意。アイコンも鳥)

このオープニングのあとTwitterの話につなげ、本当のグローバル化は進んでいないというインターネットの矛盾に話を展開していきます。

TEDカンファレンスでは、オープニングでたとえ話を用いている例は結構多いです。以前に紹介した記事「実は同じ!?恋愛・浮気・不倫の原理とビッグバン」では、David Christian氏が宇宙の誕生であるビッグバンをスクランブルエッグ(溶き卵)でたとえてオープニングからわかりやすく説明しています。

今回のブログの記事もオープニングにワールドカップの動物のたとえ話を用いて、鳥の話(Cala a boca,Galvão)につなげてみました。たとえ話が導入から話の流れを作る役割を果たしてくれています。

オープニングでたとえ話を使い聴き手のイメージ化を促すことに成功すれば、聴き手の興味も引くことができその後の話が理解しやすく印象深いプレゼンになります。

何かの補足としてたとえ話を用いるだけではなく、話の流れやインパクトづくりとしても積極的に活用してみましょう。


まとめ


・意識して別の価値観に触れることで本当のグローバル化が進む

・1つのたとえ話に複数の意味を持たせて話を展開すると聴き手がイメージをつかみやすい

・オープニングでたとえ話を活用して話の流れやインパクトをつくる


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。


ヒデヨシ


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