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2014年3月20日木曜日

もらいあくびをする人はたとえ話が上手い!? |TED|Frans de Waal| スーパープレゼンテーション

こんにちは、ヒデヨシです。


自分の周りにあくびをしている人がいて、つい自分もあくびをしてしまったなんて経験ありませんか?
実は、この「もらいあくび」をする人はたとえ話が上手な人かもしれません。

この考えのヒントをくれたのは、毎週月曜日にEテレで放送されている「スーパープレゼンテーション」という番組で紹介された、Frans de Waal(フランス・ドゥ・ヴァール)氏のTEDカンファレンスからでした。
同種2匹の動物の間に不公平な状況がつくられたとき、動物達は一体どのような行動に出るのか。そんな研究のお話です。

数々の実験を通して、本能とずる賢さを出しつつ愛嬌ある行動をとる動物達の「モラル」をもった行動を垣間見ることができます。今回の記事の内容にも関わってきますので、簡単に内容を紹介させていただきます。


スピーカー:Frans de Waal(フランス・ドゥ・ヴァール)氏
タイトル :Moral behavior in animals「動物に見られる道徳的な行動」







モラルの基礎とは何でしょうか。ヴァール氏は「互恵」と「共感と思いやり」がモラルの2大基礎であると言います。人間のモラルはとても複雑ですが、この2つを取り除いてしまえばほとんど何も残らないのだそうです。


互恵:お互いが利益を与え合うこと


たとえば、オスのチンパンジーは争いの後に和解をしようと

敵対者とハグやキスを交わしたりするそうです。ラグビーでいうノーサイドですね。
また、2匹のチンパンジーに協力をさせて餌をとらせる実験では、一方が餌に興味が無くてもちゃんと協力してあげ、他者の利益のために行動することがわかりました。チンパンジーも利他的に行動できるようです。


共感:お互いが感情を共有すること


共感には2つのチャンネルがあります。


①身体的チャンネル・・・悲しんでいる人と話すと自分も悲しくなってくる状況などが挙げられます。ドラマを見ていて感情移入してしまう場合などがこれに当たります。


②認知的チャンネル・・・他人の見解を理解する能力です。ベテラン夫婦の無言のやりとりのように、言葉が少なくても何を言いたいのか(お茶がのみたいのか)がわかる感覚でしょうか。

また、共感の一種として「同調」があります。同調は共感の根底にあるもので、すべての哺乳類に共通です。同調行動の例として、もらいあくびのが伝染する現象がここで挙げられています。



もらいあくびと共感の関連性


実は人間でも動物でも、あくびは伝染するようです。チンパンジーに、チンパンジーがあくびをしているアニメーションを見せるとなんとそれを見ているチンパンジーにあくびが伝染してしまいます。ヴァール氏曰く、あくびが伝染やすい人は、共感能力が高いようなのです。あくびが伝染すると脳の共感を司る部分が活性化することからも関連性が示されています。

例として、共感能力に問題のある自閉症の子供にはあくびが伝染しない傾向にあり、「もらいあくび」と「共感」に関連性があることを説明しました。


これは別の方の実験ですが、私たちの身近にいる犬などの他の動物にもあくびは伝染するという実験結果があります。しかも知っている人と知らない人のあくびでは、知っている人のあくびの方が伝染しやすい傾向にあるようです。心を許している飼い主のあくびに共感し、自分もあくびがしたくなるのでしょうね。





「もらいあくび」と「たとえ話の上手さ」


上手いたとえ話の大きな要素は「イメージ化がしやすい」「共感できる」ことです。「もらいあくびをしやすい人」=「共感能力が高い人」は相手の感情や考えを理解する能力が高い、すなわち人に何かを伝える際に
相手の気持ちを察知して伝わりやすい言葉を適切に選択できる能力が高いという風に言い換えることができるでしょう。

ですので「もらいあくび」をしやすい人はたとえ話が上手いもしくは上手くなる才能があると言えます。


ヴァール氏から学ぶたとえ話


ヴァール氏の実験談はこの後も続き、不公平な状況下にいるチンパンジーが公平にしろ!と必死にアピールするかわいい行動を見ることができます。


チンパンジーがどんなに必死に公平さを主張しても、決して叶わない状況を
ヴァール氏は「ウォール街のデモのようだ」とたとえて、皮肉を交えつつジョークを飛ばしています。このジョークが本当にお上手でとても勉強になります。会場からも歓声が湧いていました。

日本ではややイメージしづらいかもしれませんが、応用して色々と使えそうです。


この実験はチンパンジーが哀れで微笑ましくて、見ていて思わず笑顔がこぼれました。
特に動物好きの方は一見の価値ありですので、是非ご覧になってみてください。過去の放送分はスーパープレゼンテーションのホームページから視聴可能です。



まとめ


・「もらいあくび」をする人は共感能力が高くたとえ話が上手い

 すなわち、相手の気持ちがわかり、相手に合った言葉の選択ができる


これからは積極的にもらいあくびをしましょう。
そうすれば、自分はたとえ話が上手い、共感能力が高く人に伝えるのが上手い、と認識することができますし、自己暗示としての効果も期待できます。(ただし、気をつけないと痛い目にあいますので、TPOはわきまえながらですね。)


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。


ヒデヨシ



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