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2015年10月4日日曜日

怒りの発電所になって人の役に立ってみよう|TED|スーパープレゼンテーション


目次
・なぜか投獄された、憤怒の夜
・みなさん、もっと怒ってください!
・怒りを利用して行動しよう
・怒りの発電所になって人の役に立ってみよう!
・まとめ


こんにちは、ヒデヨシです。


「あー、イライラするーー!」といった怒りの感情は私たちの精神に大きな影響を与えます。ストレスとして蓄積すれば自分の心が疲れてしまい、時にはモノを壊し、人を傷つけてしまうかもしれません。

自分の心の「怒り」をいかにコントロールするかは長い間言われ続けてきた人類の課題です。しかし、気づいているでしょうか、怒りは私たちを良くも悪くも「行動」に移させるエネルギーをもっているのです。


怒りのエネルギーを抑えてしまうなんてもったいない!怒りのエネルギーを社会に役立つ行動に変換しよう!そう唱えるのは2014年にノーベル平和賞を受賞したKailash Satyarthi(カイラシュ・サティーアーティ)です。


彼は子どもの人権保護活動を広め、子どもとしてあるべき権利を世界に主張しています。面白いことに、数々の功績を残した彼のアイデアは自分が最も怒ったときに生まれたのだそうです。怒りと平和、相反すると思われる2つがどのようにつながるのでしょうか。


今回はKailash SatyarthiのTEDカンファレンスから、怒りを社会の為に役立てるアイデアの生み方と怒りエネルギー x 発電所」とたとえた彼の表現法を学んでいきましょう。



スピーカー:Kailash Satyarthi(カイラシュ・サティーアーティ)

タイトル :How to make peace? Get angry「怒りで世界に平和をもたらす方法」


なぜか投獄された、憤怒の夜


インドに生まれたKailash Satyarthiは若いころからガンディーの思想に共感し、カーストの階級社会に疑問をもっていました。カーストのような差別を失くし人民が平等になる社会を目指して活動することにしたのです。


ある日電車を待っているとき、数十人の子ども達が電車から降りてきました。その子ども達はなんと人身売買されて奴隷になる子どもたちだったのです。Kailash Satyarthiはその子ども達を保護し警察に連れて行きました。しかし警察は手を貸すどころか、彼を小さな留置所に動物のように放り込んだのです。


こんな理不尽なことはあるか!留置所の中で怒りが煮えたぎっていました。どうしてこんなことになるのか!どうすればよいのか!考えていたそのとき、彼は世界初の最高のアイデアを思いつきました。


世界の児童労働者を救うには一人の力はあまりにも小さい。それなら児童労働者を減らすために世界の消費者の手を貸してもらおう。そうして生まれた「児童労働で作られた商品を拒否しよう」 というキャンペーンは、南アジア諸国の自動労働者の80%を減らすことに成功しました。

他にも、売春宿で性奴隷になっている少女達を救うためその現場を奇襲し、なんと8万3千人の児童労働者を救ったり、最悪の状況下にいる子ども達を保護する新しい国際条約の採択を進め、15年間で児童労働者の数を3分の1にするなど輝かしい功績を残しました。

怒り、アイデアが生まれ、行動する。これがKailash Satyarthiの言う怒りが人を動かす3ステップです。エゴや利己心を取り除き思いやりを持って人と接することで、怒りを社会に役立つ良いエネルギーに変換させることができるのだと言います。



みなさん、もっと怒ってください!


「みなさん、怒ってください!」Kailash Satyarthiは言います。


怒りはいけないものだと何世紀も前から言われてきました。確かに、大人になってからイライラして自分をコントロールできていなくては感情のままに駄々をこねる子どもと一緒です。


大事なのは怒りの矛先を何に向けるか、怒りのエネルギーを何に活かすかです。怒りを感じるということは何かしらに不満をもっていることになります。不満はアイデアの種です。


たとえば、ディズニーリゾートのウンザリする行列に並んでいると「ああ!並ばなくて済めば楽しいのに!」とイライラがこみ上げてきます。この不満を解消するためにファストパス(アトラクションの優先入場システム)が生まれました。


イライラを上手く捉えることで社会に役立つアイデアを生むことができるのです。





怒りを利用して行動しよう


Kailash Satyarthiの功績も元は怒りから生まれています。「児童労働なんて許せない!」「少女に性的労働を強いるなんて許せない!」といった彼の怒りからアイデアが生まれ行動に移し、多くの子どもたちを救うことになりました。

怒りは私たちを「行動」に移させるほどの大きなエネルギーを持っています。怒りのエネルギーを使って相手に復讐するというのはよく聞く話しですが、この理屈を利用して怒りのエネルギーを社会に役立つ行動へ変換することもできるのです。


「くそ!イライラしたからゴミ拾いしてやるぜ!」とか「くそ!ムカついたからお年寄りを助けてやるぜ!」とか、違和感あるかもしれないですが、こういう意識の変換が大切ではないでしょうか。


私たちは「怒りは暴力や破壊で発散させるもの」という常識を疑うべきかもしれません。子どものころから「ムカついたら落ちてるペットボトルを拾おう」といった教育をして常識化すれば、世の中も少しずつ平和になるのではないでしょうか。


生きていれば怒ることは必ずあります。そんなとき、考え方一つで良くも悪くもできることを覚えておきましょう。怒りは決して悪いものではないのです。思いやりを持って人と、自分と接しましょう。




怒りの発電所になって人の役に立ってみよう!



Kailash Satyarthiは慈善活動をする前は電気のエンジニアだったそうです。プレゼンの中で怒りエネルギーを変換する過程をエンジニアらしく発電所にたとえています。



“  石炭などが燃える火、原子炉の中での核分裂、川の激流や強風等から起きるエネルギーは 何百万人の生活に使われる電気に変えられ、また最も扱いにくい形のエネルギー(怒り)は社会の為に末長く利用できる事を学びました。



発電所では、火、核分裂、水流、風などのエネルギーを電気に変換しています。怒りエネルギーも同じで、私たちが発電所になって社会に役立つ行動へ変換できるとたとえています。


この発電所のたとえ話で上手いと思うのは、


・一人の影響力が実はとてつもなく大きい

・怒りエネルギーでも役立つ行動に変換できる

というメッセージ性を含ませている点です。一人の行動が多くの人のためになり、一見ネガティブに思えるもの(怒り)でも良い行いに変換することができるという発想の転換の大切さを上手く表現しています。


また、発電所は電気を「つくる」イメージが強いですが、エネルギーを「変換する」仕組みに注目できるのは、自身が電気のエンジニアだったこその発想かもしれません。物事を色々な側面から捉えることができるからこそ作れるたとえ話です。


自分の得意分野なら内容に詳しいため、伝えたいコトとたとえ話を上手くリンクさせることができます。たとえ話を作る際は、自分の得意なものからアプローチしてみるとよいでしょう。


こちらの記事ではダジャレによって普通では結びつかないアイデアを生み出す方法を紹介しています。1つの事柄でもイメージの変換のさせ方によって無限に表現できることを学ぶことができます。よろしかったら併せてご覧下さい。



まとめ


・もっと怒ろう!怒りはアイデアの宝庫だ

・怒りエネルギーを変換して思いやりのある行動をしてみよう
・感情エネルギーの変換は発電所でたとえてみよう


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。


ヒデヨシ


Photo by TED Concerence via flickr



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