facebook

2015年9月23日水曜日

ドローン技術はスポーツでたとえよう|TED|Raffaello D'andrea|スーパープレゼンテーション


目次

・ドローンを「フィードバック制御」する
・プロ選手のようにハイ・パフォーマンス
・ドローンも努力している
・ドローンの未来をスポーツのように!
・たとえ話テイスティング
・まとめ


こんにちは、ヒデヨシです。


新世紀のラジコン「ドローン」。メディアで度々注目を集めているため知っている方も多いのではないでしょうか。安いものは1万円以下のものもあり、意外と手軽に手に入れることができます。


Raffaello D'andrea(ラファエロ・ダンドリーア)はスイス連邦工科大学でドローンの制御技術を研究しています。ロボットによるサッカー世界大会「ロボカップ」で大学を4度も優勝に導いた方なのだそうです。


4つのプロペラをもつドローン(クアッドコプター)の上に水入りグラスを乗せて飛ばしたり、ドローンとキャッチボールしたり、まさかのプロペラをちょん切ってみたり、マスター・ヨーダのようにドローンを操ってみたりと様々なワクワクするデモを通してドローンの制御技術を教えてくれます。

今回はRaffaello D'andrea のTEDカンファレンスから、ドローンの制御技術をスポーツで表したたとえ話を紹介します。ラジコンやメカ好きなオッサン必見のプレゼンです!



スピーカー:Raffaello D'andrea(ラファエロ・ダンドリーア)

タイトル:The astounding athletic power of quadcopters
「クアッドコプターの驚くべき運動能力」




ドローンを「フィードバック制御」する


ドローンを単体で飛ばすには、フィードバック制御が必要になります。フィードバック制御とは、対象のものを目標値にしたいとき、今の状態と目標値との差を埋めるように調節する制御のことです。


たとえば、マラソンの目標タイムがあったとして、ゆっくり走っていると間に合わないなら少し走るスピードを早めて調節しますよね。今の状態を振り返って(フィードバック)目標に向けて軌道修正することがフィードバック制御となります。


ドローンの場合にはボディにポインタがつけられており、複数台のカメラにより現在位置を3
次元的に把握しています。その位置情報から目標の位置になるようにドローンのプロペラの回転数や方向を調節して位置を調節しています。



プロ選手のようにハイ・パフォーマンス



一流の選手は試合当日の自分のコンディションによって戦法を変え、試合に臨むことができます。たとえばテニスでいうと「今日はストロークの調子が悪いからボレーをメインに戦おう」など、自分のウィークポイントを他の能力でカバーして戦います。


実はドローンも同じように一部が故障しても他の機能が故障部を補って飛ぶことができます。それを実践するため、Raffaello D'andrea はなんとドローンのプロペラ2枚をハサミでちょん切ってしまいます。なんとも大胆なパフォーマンスです。


それでも、少しユニークな飛び方にはなりますが、ドローンは空を飛ぶことができました。これができたのはプロペラが2枚になってしまったときの動きを制御するプログラムを導入していたからです。数学的・物理的な解析が必要になりますが、人間と同じように、自分の欠点を補って動かすことは機械にも可能だということです。




ドローンも努力している



Raffaello D'andrea はドローンの上に長い棒や水入りグラスを乗せてバランスを取らせてみたり、あっと驚くパフォーマンスを私たちに見せてくれます。その一つにドローンに空中縦3回転をさせるパフォーマンスがありました。


空中縦3回転は空を飛ぶドローンにとって簡単そうに思えますが、回転に要する時間が短く制御が追いつかないため、実際にはかなり難しいのだそうです。ではどのように制御できるようにしたのかというとドローンに「練習」を繰り返させます。


スタートの初期条件とフィニッシュの結果をみて、どのようにすればさらに上手く回転運動できるかを繰り返し学習させます。動き方の選択肢が無数にある中から最適解を探し出す作業になるのでしょう。これは人間と同じように練習によってのみ動きを身につけることができるのだとRaffaello D'andrea は言います。


たとえば、バスケットボールのフリースローはシュートを撃ち出す角度、強さ、回転など、最初の条件によって入るか入らないかが決まります。もし外れたのなら、その条件は間違いなので少しずつ角度や強さを調節して何回も試行錯誤を繰り返します。

成功の「最適解」を探し出すためには、人間も機械も同じように地道で継続的な練習と学習が必要なのですね。

(ちなみに『フリースロー成功率を高めるコツと下手な選手のたとえ話の記事でフリースロー成功率を高める初期条件を紹介しています。)



ドローンの未来をスポーツのように!



Raffaello D'andrea はなぜドローンの制御技術をスポーツでたとえたのか、それはクロージングでの私たちへのメッセージにつながります。



“ 機械のスピードが私たちの生活にもたらす影響は何でしょう。あらゆる発明や創作と同様、それは人々の生活の改善にも使えるだろうし、誤った使い方もできるでしょう。私たちが直面しているのは技術的ではなく社会的な選択です。正しい選択をして未来の機械から最善のものを引き出すようにしましょう。ちょうどスポーツ競技が私たちの最善の部分を引き出すように。



スポーツは世界共通です。言葉がわからなくてもスポーツを通して仲良くなることができます。スポーツの練習・努力を通して自分の才能を開花させることもできます。スポーツの習慣によって健康な日々を送ることができます。


私たちの良いところを引き出してくれるスポーツ。ドローンの良いところを引き出すのは誰でしょうか。私たちがしなくてはならないのは社会的な選択です。ドローンは使い方次第で世界を良くすることも悪くすることもできてしまいます。

科学技術は日進月歩で進化しています。進化する技術の使い方を誤らないよう、スポーツのように健全なものにするのは私たち自身なのです。



たとえ話テイスティング

「イメージ化しやすい」「共感できる」視点でたとえ話を分析します


・イメージ化
ドローンの学習の話では「結果」により「初期条件」を変えて試行錯誤することを説明しています。この条件に当てはまるスポーツを考えてみましょう。

たとえ話の要素:
スポーツ、初期条件で結果が変わる

使えそうなたとえ話:
ダーツ、高飛び込み、跳馬、フィギュアスケートのジャンプ、スノボハーフパイプのトリック、バスケットボールのフリースロー、サッカーのフリーキック など


・共感
「スポーツが人の良いところを引き出してくれること」と「ドローンの良いところを引き出すのは私たち」というメッセージ性をもたせて共感を誘っています。また、ドローンを悪用した事件を彷彿とさせることで聴く人が共感できるようにしています。


また、欠点を補う、努力が必要、良いところを引き出すというドローンとスポーツの共通点も上手くプレゼンに取り入れていました。



実際のプレゼンでは、Raffaello D'andrea は「高飛び込み」と「跳馬」のたとえ話を使って説明していました。スポーツは身近でイメージしやすいのでたとえ話として積極的に活用しましょう。もしあなたがスポーツプレーヤーなら、自分の得意なスポーツでたとえると共感を生み出しやすくなりますよ。



まとめ


・ドローンはフィードバック制御で自分を振り返りながら動いている

・スポーツのようにドローンの良い部分を引き出そう

・スポーツのたとえ話は世界共通で共感しやすいので積極的に使おう


・自分の得意なスポーツでたとえると共感を生みやすい


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。


ヒデヨシ



Photo by TED Conference via flickr



【おすすめの関連記事】


フリースロー成功率を高めるコツと下手な選手のたとえ話

松岡修造による世界のテニスプレーヤーの熱いたとえ話


松岡修造による錦織圭とテニスの熱いたとえ話

結婚式の挨拶・スピーチで使える「マラソン」のたとえ話

ジミー大西から学ぶ、才能発掘と教育革命の方法|TED|スーパープレゼンテーション

宇宙旅行を体験できる20のたとえ話|TED|スーパープレゼンテーション 

【TED】プレゼンのプロから学ぶ、上手いたとえ話の基礎

挫折者必見!筋トレを継続せざるを得ない「+1メソッド」


たとえ話が上手くなるサイト
PARABLE ANTENNA へ


たとえ話が上手くなるブログトップへ



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

ad