今回もTEDカンファレンス(Eテレにて放送されているスーパープレゼンテーション)から「ビッグバン」と「恋愛・浮気・不倫」の意外な共通点に気づくことができましたので紹介します。
今回のスピーカーはDavid Christian(デイビッド・クリスチャン)氏。現在はシドニーのマッコーリー大学にて教育活動を通して活躍している方です。
およそ137億年前の宇宙誕生(ビッグバン)へ遡り、現在に至るまでの長い道のりを18分間にまとめて、わかりやすく教えてくれます。宇宙に興味のある方は是非視聴してみてください。
およそ137億年前の宇宙誕生(ビッグバン)へ遡り、現在に至るまでの長い道のりを18分間にまとめて、わかりやすく教えてくれます。宇宙に興味のある方は是非視聴してみてください。
スピーカー:David Christian(デイビッド・クリスチャン)氏
タイトル :The history of our world in 18 minutes「18分でたどるビッグヒストリー」
みなさんは「スクランブルエッグ」を食べたことがあるでしょうか。
スクランブルエッグは卵の白身と黄身をかき混ぜてつくります。
当然、卵からスクランブルエッグをつくることはできますが、スクランブルエッグから卵の白身と黄身に分離することは普通できません。
これは科学的に不可逆な現象であり、戻すことのできない一方通行の現象です。
よく言われるのは、熱いお湯は何もしなくても冷めて水になりますが、冷たい水は何もしないと水のままでお湯にはなりません。
よく言われるのは、熱いお湯は何もしなくても冷めて水になりますが、冷たい水は何もしないと水のままでお湯にはなりません。
私たちの身の周りの自然現象は普通、卵のような秩序的・構造的な状態からスクランブルエッグのような無秩序的・非構造的な状態になろうとします。
しかしながら、宇宙ではスクランブルエッグから卵がつくられるような、水がお湯になるような、普通では考えられない現象が起きています。その現象はどのように引き起こされるのか、それは宇宙のもつ「複雑性」によって引き起こされます。
ここで言う「複雑性」とは、周りの基準から少しでも異なる状態のことをいいます。たとえば、周りよりほんの少しだけ温度が高いとか、ほんの少しだけ大きいとか、ほんの少しだけ成分が多いとかです。
理想的な条件下でこの小さな複雑性が連鎖的に重なっていくと、ある一線を越えて今までとは違った新しいものが生まれます。ここではこの一線を越える段階を「しきい値を超える(Threshold moment)」とクリスチャン氏は表現しています。
私たちの知る宇宙ができるまで
この宇宙は「複雑性が生まれる」「重力で引かれ合う」「しきい値を超える」ことの積み重ねにより誕生し、成長し、現在の形になりました。そのプロセスは以下の通りです。
①複雑性が生まれる
宇宙が誕生してはじめのころは水素とヘリウムのガス雲が宇宙を包んでいました。それらのガスは1000分の1度ほどの温度差(=複雑性)があります。
②重力で引かれ合う
小さな温度差による密度の大小によって、重力が発生しお互いを引き寄せ合います。(重力は物質の量が多い程大きくはたらきます)
②重力で引かれ合う
小さな温度差による密度の大小によって、重力が発生しお互いを引き寄せ合います。(重力は物質の量が多い程大きくはたらきます)
重力により水素とヘリウムは密集していき、最終的にはギュッと圧縮されて高熱を帯び、しきい値を超えて恒星や惑星が次々と誕生します。
このシンプルなステップの積み重ねにより、スクランブルエッグ状態(ガスの雲)から整った卵(恒星や惑星)がつくり出されました。地球上では普通考えられない「複雑性」を宇宙はつくり出すことができるのだとクリスチャン氏は言います。
「ビッグバン」と「恋愛・浮気・不倫」の意外な共通点
宇宙誕生の話をまとめると
のサイクルが度重なることで宇宙は成長しています。
複雑性としきい値の連鎖により宇宙がつくられることはわかりましたが、もっと身近な私たちの生活でたとえてみると、どのようなものが思い浮かぶでしょうか。
私は「恋愛・浮気・不倫」がピッタリ当てはまると感じました。
まず 恋愛 です。
人が恋に落ちるときは、
①まずちょっとしたきっかけで知り合い(複雑性が生まれる)
②互いが仲良くなり(重力により引かれ合う)
③恋人同士となる(しきい値を超える)
①まずちょっとしたきっかけで知り合い(複雑性が生まれる)
②互いが仲良くなり(重力により引かれ合う)
③恋人同士となる(しきい値を超える)
何も関係が無い、社会集団の中の赤の他人(スクランブルエッグ)からほんの些細なきっかけで人が出会い、引き寄せ合い恋人同士(卵)の状態になる。まさに宇宙の誕生と同じです。
さらに、浮気・不倫 です。
①恋人同士の間に些細なすれ違いが生まれ(複雑性が生まれる)
②別の人に魅力を感じ引き寄せられ(重力により引かれ合う)
③一線を越える(しきい値を超える)
そしてさらにこのサイクルが連鎖すると、それぞれの関係は「複雑性」を増していき、「しきい値を超える」と別れに至ります。
②別の人に魅力を感じ引き寄せられ(重力により引かれ合う)
③一線を越える(しきい値を超える)
そしてさらにこのサイクルが連鎖すると、それぞれの関係は「複雑性」を増していき、「しきい値を超える」と別れに至ります。
このように、一見関係のなさそうな宇宙の誕生「ビッグバン」のプロセスと「恋愛・浮気・不倫」のプロセスは意外にも共通した原理のもとにあるようです。
結局私たちは宇宙の原理の中で生きているのですね。
結局私たちは宇宙の原理の中で生きているのですね。
良いアイディアも宇宙の原理によって生まれる
私たちの生きるこの宇宙は小さな「複雑性」と「しきい値を超える」ことの連鎖により誕生しました。実は、素晴らしいアイディアを生み出すプロセスもこのビッグバンの原理に当てはまっています。
すなわち、
①小さな気づきから疑問に感じ(複雑性が生まれる)
②自分で調べ情報を集め(重力により引き寄せる)
③情報を分析していくとある一線を超えて(しきい値を超えて)思わぬ素晴らしいアイディアが生まれます。
はじめは小さなきっかけに過ぎませんが、小さな複雑性を探し、しきい値を超えていくことで、普段思いつかないような素晴らしいアイディアが生まれます。ビッグバンのような爆発力と行動力で小さな気づきを見つけ出し、どんどん良いアイディアを生み出していきましょう。
まとめ
・宇宙は「複雑性」→「重力により引かれ合う」→「しきい値をこえる」ことで誕生・成長した
・恋愛・浮気・不倫は実は宇宙の誕生したプロセスと同じ原理
・アイディアの発想法も実は宇宙の原理に従っている
私がさらに面白いと感じたのは、人間には宇宙と同じように不可逆性を可逆性に変える力をもっているということです。
つまり、恋愛で言えば、一度別れてしまっても元に戻す力を私たちは持っているということです。たとえ私たちが失恋をしても、誠意を持って行動すれば一見難しいと思われる状況でも復縁できる可能性はあると感じます。
諦めが肝心とも言いますが、もし本当に自分が必要だと感じるのなら、諦めずに復縁に向けて行動するのも一つかもしれません。
(ただし、ストーカーにはならないように注意した方がよさそうですね)
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。