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2014年4月9日水曜日

Ubuntu(他者への思いやり)でたとえ話が上手くなる!?|TED|スーパープレゼンテーション

photo credit: TED Conference via photopin cc

こんにちは。ヒデヨシです。


今回もEテレのテレビ番組「スーパープレゼンテーション」で紹介されたTEDカンファレンスから、わかりやすいたとえ話と人に上手に伝えるコツを学びましたので紹介します。

スピーカー:Boyd Varty(ボイド・ヴァーティー)氏
タイトル :What I learned from Nelson Mandela「私がネルソン・マンデラから学んだこと」







今回のTEDカンファレンスのスピーカーはBoyd Varty(ボイド・ヴァーティー)さん。南アフリカ出身で、サファリパークの案内などのビジネスを行っている方です。なんと子供の時に、南アフリカの人種差別撤廃活動を進めていたネルソン・マンデラ氏が家に宿泊したという貴重な経験もしているそうです。

マンデラ氏とのふれあい、ワニに襲われて命の危険にさらされた経験、生まれつき足腰の弱い像のエルヴィスのエピソードなど、普通では体験できない貴重な話を交えながら、現代社会と自然界に存在する思いやりの精神についてスピーチしてくれています。




Ubuntuの精神



話のコア・キーワードとして「Ubuntu(ウブントゥ)」という言葉が出てきます。
この言葉は「あなたがいるから、あなたのおかげで私がいる」という意味であり、人種差別を廃止しようとしたネルソン・マンデラ氏の意思を表しています。

私たちは自分一人の力で生きているのではなく、周りにいる人が直接的または間接的に助けてくれているからこそ生きていけるということを改めて気づかせてくれます。


痛み、危機、喜び、達成感、住まい、食べもまでも共有し分け合うことで、集団主義的な社会では自分の幸福が他人の幸福にも深く繋がっていることに気づくことができます。

寛容の心や分かち合いは他者に対する思いやりの心から生まれるのだと教えていただきました。

また、この精神は人間だけではなく、自然界に生きる動物達も同様にもっており、弱者を支え、助け、協力して生きていくという生物同士の絆がどこにでも存在するのだということも学ぶことができます。


マンデラ氏は亡くなりましたが、その意思を受け継いでいくことが大切であり私たちのミッションなのだとボイドさんは伝えてくれました。

この考えが広まれば、相手を許す心が生まれ、きっと無用で無益な争いが減るのでしょう。



Ubuntuでたとえ話が上手くなる!?



ボイドさんは「Ubuntu」を次のようにたとえて説明しています。


「会場のみなさんがいるから今の自分をさらけ出せる」

「自分一人だけなら、ただの独り言で何も価値が生まれない」
「まあ、先週は一人で練習していたんですがね」

あなたがいるから私の言葉が伝わるのだという「Ubuntu」の精神を現在の自分の(プレゼンしている)状況に当てはめて伝えている非常にわかりやすいたとえ話です。ジョークも交えて笑いも誘っています。


この「Ubuntu」を学べば他者を思いやり、よりわかりやすくて伝わりやすい表現方法を考えることに繋がります。上手いたとえ話をつくる際には相手が理解しやすい言葉や表現を選択することが重要になるので、Ubuntuを身につけることでたとえ話も伝えることも上手くなるでしょう。




たとえ話には2種類ある



また、ボイドさんのスピーチから、たとえ話には以下の2種類あるということに気づきました。


①想像、空想的にたとえてイメージ化する

②過去に起きたもしくは今起きている事実を述べてイメージ化する


①想像、空想的にたとえてイメージ化


これは想像力によって、伝えたい内容をたとえて表現する方法です。

たとえば、以前の記事で紹介した例ですが、

「WEB検索は図書館の司書に本を見つけてもらうようなもの」

「メガ素数の巨大さをハリーポッターの本の厚さとして表現する」

など「もし◯◯だったら・・・」「仮に◯◯で言うと・・・」のように、たとえたいものを別の表現でイメージ化させる方法です。




②過去に起きたもしくは今起きている事実を述べてイメージ化

これは実際に自分が体験した内容を一つの例として話す方法です。
たとえば化粧品などを友達に紹介するのだったら自分の体験(つやが変わった、肌にやさしい、など)を話した方が伝わりやすいような感覚です。

ボイドさんは自分の経験を通してイメージ化させる方法を主に用いていました。マンデラ氏が宿泊した話、ワニに襲われた話、像のエルヴィスの話など、自分の体験を伝えてイメージ化させます。実際に体験した話は事実ですから、人に伝える上で説得力があり効果的です。

また、ボイドさんの伝え方で非常に参考になるのは「ジェスチャー」を多用して視覚から訴えている点です。

たとえば、生まれつき足腰が悪い像のエルヴィス(エルヴィス・プレスリーの腰つきに似た歩き方をすることから命名されました)の動きを、全身を使って表現し、あたかもその場で私たちが像のエルヴィスを目撃しているような感覚を得ることができました。

ジェスチャーは人と意思の疎通を図るための重要な表現方法の一つですから、恥ずかしがらず積極的に取り入れたいですね。



ボイドさんのたとえ話


ボイドさんはその他にもたとえ表現を使っているのでまとめました。

本当に表現力が豊かで勉強になります。

・すごい技術を持っている人に対して

 →「博士号並み(Ph.D-level)の能力」

・ワニに襲われるとわかっている場面で、観客に対して

 →「もしホラー映画だったら「そっちには行くな!」って言いたくなるシーン」

・ワニに襲われて自分が食べられているという嫌な感覚から

 →「菜食主義推進の宣伝」になる

・ソリーさん(ワニに襲われた際に救ってくれた命の恩人)の行動を

 →人を助けることが「呼吸をするように」あたりまえ

・生まれつき足の悪いエルヴィスの独特な足形を

 →「逆括弧のような足跡」

・Ubuntuの精神など、私たちに神聖な体験をさせてくれるアフリカの大地を

 →「自然の大聖堂」




まとめ


・Ubuntu(他者への思いやり)の精神でたとえ話が上手くなる

 相手がわかりやすい、相手に伝わりやすい表現を意識することができる

・たとえ話には2種類ある

 ①「もし◯◯だったら」「仮に◯◯なら」など、想像を働かせて別の表現にする
 ②実際の自分の体験を一つの例として伝える

・ジェスチャーを活用すると視覚的に訴えることができ効果的

 恥ずかしがらずに積極的に取り入れる



Ubuntuという他者への思いやりの心をもって生活していれば、相手の気持ちを考えるようになり、より伝わりやすいたとえ話や表現法を選択できるようになるでしょう。

そして、Ubuntuの精神をもって生活していれば日々の中の小さな幸せに気づくことができ、自分から周りの人に幸せを与えることもできるようになるのでしょう。

このアフリカの自然がつくり出した慈愛の精神を身につけて、周りの人と相互に幸せになり、たとえ話も上手くなっていきましょう。



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ






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PARABLE ANTENNA 


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