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こんにちは、ヒデヨシです。
宇宙旅行について体験談を話せる人は世界に何人いるでしょうか。行ったことの無い人がほとんどですから、宇宙旅行をイメージするのは難しいですよね。
Chris Hadfield(クリス・ハドフィールド)氏は9歳の頃に宇宙に行くと心に決め、その夢を実現した宇宙飛行士です。彼はTEDカンファレンスにて、自身のリアルな宇宙体験を語ってくれます。そのプレゼンにはなんと20ものたとえ話が使われており、宇宙へ行った経験の無い私たちにもわかりやすく宇宙旅行を体験させてくれます。
今回はハドフィールド氏のTEDカンファレンスから宇宙旅行を体験できる20のたとえ話を紹介します。
スピーカー:Chris Hadfield(クリス・ハドフィールド)氏
タイトル :What I learned from going blind in space「宇宙空間で目が見えなくなって学んだこと」
宇宙旅行を体験できる20のたとえ話
誰も知らないことをイメージ化するためには、知っているものとイメージを結びつけるのが効果的です。ハドフィールド氏は宇宙を体験したことのない私たちのために、なんと20ものたとえ話を使って宇宙旅行をイメージ化させてくれます。以下はハドフィールド氏のプレゼンで使われたたとえ話です。
【発射前の体験】
・アストロバンに乗り、緊張から「息をひそめ、互いの手を握るかの様に」シャトルまで移動する
・シャトルに乗り込むときは狭いので「芋虫のように這って」座席まで上がる
・スペースシャトルは「人類史上最も複雑な航空機」
・スペースシャトルは「どんなひどい問題でも、さらに悪化することがあり得る乗り物」
・打ち上げ3分半前「教会の大きな鐘ほどもある」背面の大きなノズル(火を吹く部分)が前後に揺れる
・ノズルはあまりにも巨大なので「あたかも乗っている像が立ち上がろうとでもするかのように」機体全体が大きく揺れる
【発射中の体験】
・発射直後の機体の中は「まるで自分より遥かに力強い何かの手中にあるよう」にパワフル
・あまりに振動が激しいので「まるで巨大な犬にくわえられ、その足に背中を押されて宇宙に押し出される」かのよう
・液体燃料エンジンに切り替わると「レーシングカーに乗ってアクセルを思いっきり踏み込んだような」今までに経験の無いものすごい力で加速する
・(重力が小さくなるので)体重はどんどん軽くなるのに体にかかる力はどんどん重くなり、「まるで誰かにセメントをかけられているような感覚」
【宇宙空間での体験】
・宇宙からみた地球は「動くアートギャラリーのように」幻想的
・「一人乗りの宇宙船ともいえる」宇宙服を着てスペースウォーク(船外作業)を行う
・宇宙空間には「手をそこに沈めることができるかのような奥行きと深淵な質感を持った暗闇」が広がっている
・スペースウォーク中に掴んでいる片手は「70億の人々とつながる命綱」
・東欧の農場は「ギンガムチェックのような」模様
・アメリカの五大湖は「小さな水たまりのよう」
【地球への帰還】
・地球に帰還するときは「小さな弾丸のような」機体に乗る
・地球に戻るのは要するに「落下する隕石に乗るようなもの」
・落下するときのパラシュートは「時計のように精密な仕組み」で動くので安心
・着陸時は「地面に投げつけられたように」着地し、ゴロゴロ転がる
ハドフィールド氏は一貫したストーリーとたとえ話を用いて自らの体験を語ることで、私たちのイメージ化を促し「宇宙旅行」を体験させてくれます。
相手が知らないものを説明したいとき、知っているものでイメージ化させるテクニックは非常に有効ですので是非活用していきましょう。
まとめ
・相手が知らないことは「知っているもの」でたとえて説明しよう
ハドフィールド氏は同じプレゼン内で、宇宙の船外作業中に両目が見えなくなった恐ろしい体験についても語っています。
死ぬかもしれない状況なのに彼は冷静に対処することができました。これは彼が恐怖克服法を実践していたからなのだそうです。本ブログ記事『「クモ」でたとえるシンプルだが強力な恐怖克服法』では、ハドフィールド氏が恐怖の克服法を「クモ」にたとえてわかりやすく教えてくれます。
また、宇宙関連の記事『実は同じ!?恋愛・浮気・不倫の原理とビッグバン』では、宇宙をスクランブルエッグにたとえて面白く表現しているTEDスピーチを紹介しています。興味のある方は併せてご覧ください。
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ