こんにちは、ヒデヨシです。
ものまねと言えばプロの歌手が別の歌手を本物そっくりに真似するテレビ番組が有名ですね。他にも「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」では、日常生活やとある人の特徴的な動作を切り取ってリアルに表現しています。
鋭く観察されたものまねを見て「あーわかる!」「あるある!」という共感が私たちの中に生まれ笑いが起こります。実はものまねは笑いを取る為だけではなく、本当の自分自身とは何かに気づかせてくれるツールでもあります。
ものまねをすることで、本当の自分に気づくことができるのだと教えてくれるのは、ビジュアル・アーティストであるHetain Patel(ヘテイン・パテル)氏です。Hetain Patelはアートやエンターテインメントを通して本来の「自分自身」を表現・追求しているパフォーマーです。
今回はHetain PatelのTEDカンファレンス(スーパープレゼンテーション|Eテレ)から、ものまねを通して本当の自分に気づくヒント、そしてたとえ話が上手くなる方法を学びましたので紹介します。
スピーカー:Hetain Patel(ヘテン・パテル)、Yuyu Lau(ユーユー・ラオ)
タイトル :Who am I ? Think again「自分は誰か、もう一度考えよう」
人は憧れるから成長できる
小さい頃、誰しもがヒーローやヒロインに憧れたのではないでしょうか。ヒーローごっこでヒーローのものまねをすることで、子供の頃の私たちは憧れのヒーロー像に近づこうとしていました。
大人でも憧れの存在に近づくために私たちはものまねをしています。
成功したビジネスオーナーに憧れれば、その人の執筆した本を読んで成功習慣を真似ようとし、野球選手に憧れれば選手と同じナンバーのユニフォームを着て、同じ練習をし、アイドルに憧れれば服装や髪型を真似してダンスや歌の練習をします。
理想の姿に近づく為に私たちは憧れの対象を真似て努力をし、いつのまにか自分の成長へとつながっているのです。
理想と現実のギャップこそが本物の自分自身
私たちが理想を追い続けていると、理想と現実の自分を比較しギャップに落胆することもあります。しかし、ここで気づかされたのは、憧れの理想像を追い続けていても最終的に出来上がるのは理想像のコピーだということです。
ものまねに失敗した時は本当の自分に気づくチャンスです。理想と現実のギャップを感じた時こそ試行錯誤を繰り返し、自分にしか出せない強みや良さを生み出すことができるのだとHetain Patelは言います。
たとえば、プロスポーツ選手を目指していたとします。プロのトレーニングを真似し続けてもなかなか上手くプレーできなかったとき、こうしてみよう、ああしてみようと自分なりのアレンジを取り入れていきます。はじめは上手く行かないかもしれませんが、試行錯誤の結果自分の型に合ったトレーニング法やプレースタイルを確立することができるでしょう。
憧れの理想像から少し外れて、独自のアレンジを入れた状態こそが本当の自分自身、オリジナリティのあるリアルな自分であり、それこそが自分だけが持つ唯一の価値となるのです。
Hetain Patelは「水のようになれ!」とプレゼンテーションの中で教えてくれます。水は注いだ器の形によって自由に形を変えることができます。氷のようにガチガチでは理想の器に満たすことはできません。
憧れの「ものまね」を通して理想を追求しているけれど、思うように結果を出せていない状態に陥ったら、あまりガチガチに追求せず柔軟に変化を付けてみましょう。
水のようになれ、です。
「ものまね」でたとえ話が上手くなる!
上手いたとえ話の要素は「イメージ化しやすい」「共感できる」の2点です。
伝える相手にとってイメージ化しやすくて共感できる表現は何か、その表現方法を見つけるのに最も効果的な方法がものまねです。
演劇の世界には役作りの一つに「メソッド演技法」と呼ばれるものがあります。これは役柄の人と同じ体験を通してどんな気持ちなのかを実際に追体験する役作り法です。
俳優のロバート・デ・ニーロはこの役作り法を用いることで有名で、浮浪者の格好をしてニューヨークの街に繰り出したり、ホームレス施設に潜入したりしています。実際の浮浪者(の気持ち)になることでリアルな感情を表現することに成功し、多くの人の感動を呼びました。
共感してもらえるたとえ話も同じようにつくることができます。どんな言葉だと共感してくれるか、相手の気持ちになって考えることが伝わりやすいたとえ話を作るコツになります。
ものまねは言わば「体験」で、その人の気持ちを知る最もシンプルな方法です。役作りのように、伝えたい人そのものを体験することで、相手が何を感じ、何に共感するのかを理解することができます。
たとえば、介護学校などでは疑似老人体験の授業が導入されています。常に腰を丸め、重りや手袋を体につけ、耳も目も機能しない状態で街を歩きます。高齢者が街に出るのがどれほど大変かを感じ、介護への理解を深めています。高齢者の体験をしたからこそ、高齢者の心がわかり、共感してもらえる介護活動を行うことができます。
相手の気持ちを理解することで伝わりやすい表現を見出すことができ、観察力・洞察力も高まり、あなた自身の切り口でオリジナリティのある表現をつくり出すことができます。
さあ、今日からものまねをして伝え上手になりましょう!
まとめ
・憧れや理想に近づく為にまねをして人は成長する
・ものまねを失敗して、少し変化を付けることで自分にしか無いのオリジナリティを生み出せる
・ものまねで相手の気持ちを理解し、伝わりやすいたとえ話をつくることができる
以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ヒデヨシ
Photo by TED Conference via photopin
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